episode57 ページ9
翌日
シンドバッド王は煌帝国を去っていった。
数日後には弟の白龍が彼の国、シンドリアへと留学することになった
煌帝国とシンドリア王国は友好条約を結んだ。
皇帝陛下もまあ…お喜びになっているわ。
でもこれで私はこなすべき仕事が増えてしまった。
煌での書類仕事や軍議などの他に白龍が留学中に時々様子を見に行くことになったの
わざわざ私が行かなくても…と思ったけれど、
私は魔法の才能もあって、浮遊魔法で誰よりも早く飛んでいく事ができるから…皇帝陛下直々にお願いされたわ。
紅炎「白A」
貴「紅炎…遠征に出ていると聞いていたけれど」
紅炎「一時帰還中だ」
貴「そう」
紅炎「バルバッドの件、聞いた。紅玉の婚約は無くなったがあなたのおかげで目的は果たされた」
貴「えぇ。そうね」
紅炎「少し時間あるか？」
貴「残念だけれど、これから会議があるの。
急ぎでないのなら後にしてちょうだい」
私は紅炎の横を通り過ぎた。
紅炎「バルバッドからの帰還時、何があった」
貴「あら、なんの事かしら？」
紅炎「突然苦しみ出した、と見ていた者たちから聞いたぞ」
貴「あぁ、その事ね。
何も気にしなくていいわ、ただ頭が痛かったの。
今はなんともないのよ」
紅炎「バルバッドでの騒動と何か関係があるのではないか？」
貴「何を言っているの？あなたもしかして…何か知っているの？」
不思議な質問に私は足を止めて、紅炎に聞き返した。
神官殿たちから聞いた話によれば、王族や貴族などを恨む民間人が王政廃止をきっかけに暴動を起こしたとか。
それをアリババ・サルージャが敵の主格を討ち収めたと。
なぜ紅炎はそれに私が関係あると言うのかしら…？
神官「白A姫、そろそろお時間でございますぞ」
貴「神官殿…すぐに行きますわ。紅炎、話は…」
紅炎「この話はまた後ほど」
貴「………」
あの時の頭痛がなんだったのか、今でもまだよく分からない…
それとバルバッドでの騒動が何か関係してるとでもいいたげだったけど…
気にしても仕方ないわね。
私はそのまま神官殿を連れて会議室へと足を向けた。
気にしたところでどうにかなるものでは無いだろうし、彼が後でと言うなら後で聞けばいいわ。
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年2月20日 8時
