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episode56 ページ8

貴「……」





私は静かになった部屋で窓の外を眺めていた。





鳴涼「シンドバッド王とはどのようなお話を?」


青翠「随分長くお話されてましたね」





青翠が私の持っていたグラスに酒を注いだ。





貴「ふふっ…ただのくだらない探り合いよ」





彼とは途切れることなく会話をしていた。


中身の感じない上辺の会話のように私は感じたわ。


でも、彼と話したことで分かったことがあるわ





貴「(シンドバッド王は黒いルフと白いルフを持っていますわ)」




私と同じね…

なぜそうなってしまっているのかは探りきれなかったけれど
私が不思議な気配を感じて、気になった理由がはっきりしたわ。


まあ…そうであったところで何の関係もないのだけれど。





青翠「それにしても…白A様!!あの男に手は出されていませんか?!」


鳴涼「は?!おい、青翠!!」


貴「??」


青翠「あの男は、別名“七海の女たらし”と言われているそうですよ!?酒を飲んだら女は手当り次第だと…!!!」


鳴涼「お前なぁ!!黙るんだ!」


青翠「だ、だって!心配なんですよ私!!」


鳴涼「だからって一国の国王を疑うなどあってはならないだろう?!!確かにそんな噂は聞いたことがあるが…

………姫様…大丈夫ですよね?」


貴「??私はただ彼と話をしていただけよ。それ以外はないわ」


青翠「本当ですか?!良かったぁ…でもあの男!宴席でも階段のさなかも隙あらば姫を見つめておられました!!
許せません!!」


鳴涼「確かに見ていただろうが…姫様もあの方を気にされていたご様子でしたし」


青翠「いいえ!!わざわざ二人きりになったのはきっと姫様にそうさせたんですわ!!」


鳴涼「お前思い込みが激しいぞ!!?」


青翠「そんなことありません!私は姫様が!」


貴「心配…してくれているのですのね」スッ





何故か感情を高ぶらせていた青翠の顔に手を添えた。




貴「心配する必要はありませんよ^^」


青翠「はっ/////」


貴「心配されるほど私は弱くないわ

あなたには私がそんな馬鹿に見えているの?」




私は彼女を鋭く睨みつけた。





青翠「?!!け、決してそのような事は!!」


鳴涼「申し訳ございません、白A様」





2人は私から離れると慌てて膝を折り、震えて拳を握りしめた。




貴「口には気をつけなさいね^^」


「「…ッ御意」」

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作者名:猫まる | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年2月20日 8時

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