episode55 シンドバットside ページ7
シンド「白A姫も酒を嗜まれるのですね」
貴「えぇ、まあ」
こうして酒を飲みながらまさか話す機会を頂けるとは、さすがに予想外だ。
わざわざお互いの従者たちまで部屋から追い出して…
しかし、またと無い機会だ。
先帝の娘だと聞いて第一皇女は名目だけだと予想していたが、
実際に会ってよく分かった
彼女は現皇帝からも寵愛と信頼を受けている。
そうでなければただの皇女に、皇帝陛下と俺の謁見の取り決めや、
バルバッド国との条約破棄などについてものを言うことは出来ない。
それに恐らく彼女はこの謁見ででる答えまで見透かして居たのだろう…
シンド「全てあなたの思った通りになりましたかな」
貴「いいえ…さすがに我が国の皇子の留学の件は想定外でしたわ」
シンド「はははっ！そうですか」
貴「それで。シンドバット王よ…私と一体どんなお話をご所望で？」
机に肘をつき俺の顔を見て目を細めた。
なんて妖艶な眼差し…
月明かりの後光に照らされ、さらに美しさが際立っている。
今までこんなに美しいと感じたことがあるだろうか。
いつもの俺ならばすぐに口説いているだろうが…
彼女はそう簡単に口説かせてはくれないだろうな。
それも面白い。
貴「そういえば…先日のバルバッド国での一件、大変だったそうですね」
シンド「あぁ、あなた方が帰られた後のことですね。
ええ…しかし無事に収まりました。
これもアリババくんの努力があってこそでした」
貴「アリババ・サルージャ元王子ですね。
彼はとても興味深い者でした、少々綺麗事が気になりますが」
シンド「おや、あなたと意見が合うとは嬉しいですね 」
貴「ふふっ…それと我が国の神官殿がそちらに行く度も非礼を申したとか。
その件に関しましては心よりお詫び致しましょう」
シンド「いえ。ジュダルの件に関しては今に始まったことでは無いですから」
奴は昔からことある事に俺の前に立ちはだかる。
俺は今まで散々振り回されてきたからな…
俺はぐいっとグラスの酒を飲み干した。
貴「いい飲みっぷりですわね、宴会で見た様子ではお酒は飲まないのだと思っていましたわ」
シンド「酒は大好きですよ、特に美女と飲む酒はね。
私の国では
ぜひ、いずれ我が国へ来て、再び共に酒を嗜みたいものです」
貴「それは楽しそうですね
その時はぜひご一緒させて頂きましょう^^」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年2月20日 8時
