episode54 シンドバッドside ページ6
会談では主に皇帝陛下とお話を交わしていた
が、出席していた白A姫が俺に何やら熱い視線を送っていた。
視線に対して笑いかけるが
彼女は表情変えずに俺に視線を送り続けた。
普通の女性ならばみなこれで落ちてくれるのだが……
ううむ……
彼女は何を考えていらっしゃるのかさっぱりだ。
しかし、俺もつい彼女に目を奪われてしまう。
洗練された美しいお姿は
お召し物の金の装飾にも勝るほどだ。
最後の日の宴席では
彼女はすぐに席を立ってしまった
「あの姫様、やっぱ綺麗ッスね」
「さすがは第一皇女様…気品というものが溢れています」
シンドバッド「そうだな」
「王サマ。ここに来てからやたらと気にしてますよね」
シンドバッド「まあなぁ」
そうだ、彼女には何故か惹き付けられるのだ。
バルバッドで俺とアリババくんを王宮から追い出した時の魔法の威力といい…
彼女から感じる何らかの違和感といい
シンドバッド「よし！少し話をしてくるぞ！」
「え？！王サマ？！」
「何を言っているんですか！？」
シンド「なんだ、シャルルカン、スパルトス！
俺は別に姫とそうなりたい訳ではないぞ？！」
シャル「………どう思う…スパルトス」
スパル「……疑ってしまいますね…」
シンド「おいおい！信じろ王を！本当に何もしないさ
ただ彼女と話をしたいだけだよ」
俺の部下達は何かと俺を疑ってくる。
なんの問題もないというのに。
俺は今夜は酒は1杯しか飲んでいないし、失態するわけが無いだろう
シンド「もしよろしければ、俺と少しお話しませんか？」
貴「あなた様と私が？」
宴会場から去っていく彼女のあとを追い、声をかけた。
振り向きざまに漂った、香の香りで
さらに彼女の色気が増す。
貴「良いでしょう。どうぞ、私の部屋へご招待致しますわ」
そう招かれた彼女の部屋
高貴な家具や装飾…国王である俺の部屋よりもゴージャスだ。
彼女は月明かりの当たる椅子に座り、
その美しい瞳で俺を見た。
貴「どうぞ、こちらへ。シンドバット王よ」
シンド「あぁ、では失礼」
俺は彼女の前に置かれた椅子に腰掛けた。
直ぐに机には果物と酒が、彼女のお付たちによって並べられた。
貴「鳴涼、青翠」
「「御意」」
すると彼女の従者たちは、俺の従者のスパルトスとシャルルカンの背中を押して出ていった。
シンド「わざわざ人払いですか」
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作者名：猫まる | 作者ホームページ：
作成日時：2024年2月20日 8時
