episode60 ページ12
貴「紅覇?居るかしら?」
会議が終わったあと、私は書庫を訪れていた。
紅覇「A姉?」
紅明「珍しいですね、白A殿がこちらにいらっしゃるのは」
貴「そうね。実は今後仕事少し減らすことにしたの
紅覇や紅明、みんなとの時間を作るために」
紅明「それは…」
紅覇「それ本当?!」
紅明が口を開く前に寝転んでいた紅覇が勢いよく立ち上がった。
紅覇「じゃあ!僕と話してくれるためにここに来てくれたってこと!?」
貴「ええ^^」
紅覇「やった!じゃあ行こうA姉!」
貴「あら、紅明とお話をしていたのでは無いの?」
紅覇「ちょうどA姉の話をしてたんだよ!いいからいいから〜
今日は僕の部屋で一緒に寝ようよ!いいでしょ?」
貴「ふふっもちろんよ」
紅覇「よし!んじゃあねぇ、明兄!」
紅明「…あぁ、はい。おやすみなさい」
貴「紅明」
紅明「どうかされましたか?」
貴「明日はあなたと一緒に過ごしたいわ^^
いいかしら?」
紅明「!!」
貴「ふふっ、それじゃあおやすみなさい、紅明」
私は紅覇に腕を引かれるまま書庫を出た。
母上の言う通り弟妹たちと話していればきっと…記憶が戻るかもしれない。
戻ったらこの子達とももっとむきあえるのかしら。
それまで私はこの子達の思い描く人物を演じなければ…
そしてこの国のために生きなければ。
私を助けてくれた母上のために。
紅覇「A姉ぇ…」
貴「……」
布団の中で紅覇が私の腰に腕を回して眠っていた
どうやら今のは寝言だったよう。
私は彼の頭をゆっくり撫でた。
そういえば最近、頭がぼーっとすることが多くなった気がするわ。
バルバッドを訪れてから…体の中に違和感を感じるようになった。
それにバルバッドから帰国している時のあの頭痛の瞬間に
声が聞こえた気がした。
1度きりだったからなんの確証も無く、誰に話すこともしていないけれど…
貴「……私はなんなのかしら…」ボソッ
紅覇「A姉ぇ…眠れないの?」
貴「起こしてしまったかしら?ごめんなさいね」
紅覇「んーんー」
貴「ゆっくりおやすみ」
紅覇「んー…」
貴「(ナデナデ」
紅覇「懐かしい〜…僕、A姉と寝るの大好きなんだよねぇ」
貴「どうして?」
紅覇「A姉といると落ち着くからだよーおやすみぃ」
“落ち着く”…
私には分からないわよ
私はどこにいても落ち着けないの。
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作者名:猫まる | 作者ホームページ:
作成日時:2024年2月20日 8時