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episode517 ページ18








ジャン「お前さ…」






飛行艇を整備している彼らを眺めていると、ジャンが1人私の隣に来た。






ジャン「死んだエルディア人の魂はお前のとこに行くんだろ」



貴「えぇ」



ジャン「お前が死んだら、そいつはどこ行くんだ」



貴「さあ?ジャン、そんなこと気になるの?」



ジャン「いや別に…」



貴「私が死んでも、世界は何も変わらないわよ。

ただ巨人が居なくなるかもしれないってことだけ」



ジャン「………」






確かに…私の魂はどこへ行くんだろう?


天国かしら……いえ、きっと地獄ね。

今更世界を救う、だなんて…都合良すぎてこれまで死んで行ったみんなが許してくれるかどうか…。





ジャン「お前って昔は何考えんのかわかんなくて、近寄り難いやつだと思ってたけど」



貴「??」



ジャン「こうしてみると、案外わかりやすいな」



貴「あら。あなたの方がわかりやすいわよ、ジャン」



ジャン「は!?」



貴「…ねえ私ね、調査兵団に入る前…あなたが死体を燃やす火の前で言った言葉が忘れられないの」



ジャン「……」






_ジャン「所属兵団…何にするか決めたか…?

俺は決めたぞ…俺は……ッ調査兵団になる…ッ!」






震えながらもそう口にしたジャン

あの時私は…何を言わずにその場を離れた。
感情移入するな、って言い聞かせて。



私が待ち望んだ運命で、私にとってはとても嬉しいことだから
喜んだのは私だけ。



それでも…絶望的な顔をするみんなを見ると…良心がうずきそうだった。




貴「…あなたは恐怖に押しつぶされながら、冷静に最善の道を選んだ。自分のやるべきことをハッキリとさせてた…

いつでもあなたは色んなことを冷静に読み取れる、これは凄いことよ」



ジャン「…なんだ?最期の激励か」



貴「誰にでもできることじゃないもの」



ジャン「お前は冷静のフリして色んな感情ぐちゃぐちゃだったろうからな、余計に俺がすごく見えるだけだろ」



貴「ふふっ…だから自分にも蓋をしちゃうのが欠点よねぇ」






ニヤッと笑ってジャンの顔を見ると、ジャンは少し顔を赤くした。






貴「いつ伝えるの?伝えなかったら後悔するわよ」



ジャン「……お前…」



貴「それとも伝えないの?…状況や色んなものが分かっちゃうって…損な性格よね」



ジャン「うるせぇ」

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作者名:猫まる | 作者ホームページ:   
作成日時:2024年1月19日 11時

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