序章 ページ1
××
何かと、ずっと必死に走り続けてきた。
夢ノ咲学院の普通科に入ったと思ったら何故かアイドル科に転科するように言われ、人生に何の意味も見いだせてなかった当時の私は抵抗なんてしなかった。
幸運にも音楽の才能を発揮した私は、やっと人の役に立てるのだと、そう目を輝かせた。
転科後すぐに仲良くなった作曲仲間のレオとはよく一緒に作業してた。彼が不登校になった時は私が彼の分までユニットの曲を作っていた。
幸せだった。私でも人の役に立てるのだと。
私でも、人を笑顔にできるのだと。
でも、私が作ってた曲は人を笑顔にするものなんかじゃなかったんだ。
それに気付いた時には、もう後戻りなんて出来なかった。
ならば突っ走ってしまえ、と、
歩みを止めるくらいなら走り続けてやる、と意気込んだ私は兎に角プロデュースを熱心にし続けた。
────「勝者は、Trickstar！」
綺羅星たちが革命を成し遂げ、皇帝を玉座から引きずり下ろしたとしても、
────「ジャッジメントだ！」
王さまが、レオが復学したとしても、
・
・
周りがいくらいい方向に進んでも、一気に変わっていく世界に置いてけぼりになったように感じた私は次第に可笑しくなっていった。
私だけが、変われなかった。
夢ノ咲学院を卒業した今も、それは変わらない。
作曲しようとしても頭に響くのはノイズばかりで、プロデュースや書類仕事をしようとしても集中出来ないせいでミスを連発してしまう始末。
ならばもう、やめてしまおう。
そう決断してしまえばやることはあと一つ。
・
・
『ごめん、わたし』
『プロデューサーやめる』
・
私は目を見開き困惑する英智に"退職届"を手渡した。
××
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1193人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みるくてぃー(プロフ) - 鳳凰さん» 素敵なコメントありがとうございます！とても励みになります！！不定期更新ですが気長に待って頂けると嬉しいです♪ (8月22日 11時) (
レス) id: 4a169714af (このIDを非表示/違反報告)
鳳凰 - 二十四話で推し達がいるの嬉しすぎる！！お話もとても面白いので更新楽しみにしてます！頑張ってください🌸 (8月21日 15時) (レス) @page25 id: 3ca2752c0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるくてぃー | 作成日時：2023年2月12日 22時
