Stand by me 【Arashi・Masaki・Aiba】

１７．もう一度会えたら？ ページ17

「え？ …あードラマ？
どうだろ、刑事だから基本事件、」

「んーじゃなくてさぁ」

「へ？」

「前に言ってたじゃん。
川に落としちゃった女の子の話」

「えっ？ あー、うん」



確かにそんな話したけど、
それってもう１ヶ月ぐらい前だよ？



「相葉ちゃん、何の印象もないってさ。
言ってたじゃん？」

「うーん？ そうだっけ」

「そうだよ」



笑ったリーダーがグラスに口をつけた。



「マジこれ強ぇな…
あーでもやっぱ超甘い」



ツンデレにやられたーって顔をしかめて、



「でもさ。その子に会って元気になったみたいだったから」



いきなり話が戻った。



「えっ俺が？ そう？」

「そうだよ。自分で気づいてなかった？」



ふふってリーダーが小さく笑ってる。
その横で天井をにらんで記憶をたどった。


(えーっと、あの時は…)


そうだ、思い出した。
あの日はどうしてもリセットしたくなって、
それで夜中に秘密基地に行ったんだっけ。
そしたら彼女に会って、
川に落としちゃったから急いで家に帰って。


(…あ、そっか)


今気づいたけど、
あの夜は結局秘密基地でぼんやりする暇なんかなかった。
でも次の日起きたらいつもみたいにリセットされてる感じだった。
つうかリセットしたかったことすら忘れてた。



「あー…うん。
そうだね。そうだったかも」

「ね？ だからさ、思ってたんだよ」

「えっなにが？」

「相葉ちゃんの元気が出るような子とさ、
会ったんじゃねぇかなって」



はーなるほど。
そんでラブ発言につながるわけね。



「やーでも残念ながらねぇ、
マジで顔とか覚えてないんだよねー」

「ふうん。次会っても分かんねぇの？」

「次ー？ えーどうだろ」



秘密基地にはリセットしにしか行かないって決めてるし。
でもあそこでまた会うことなんか、あるのかなぁ。
そんな偶然…。



「会えたら、ちょっとすごいよね」



俺の心を読んだみたいにリーダーが言った。
そう、だね。


(もう一度、会ってみたいかも…)


初めて素直にそう思った。

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