【忍たま】山田家の長女 2

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『…………ん、ん〜』





目が覚めれば

自室に敷かれた布団の中にいた






『…………さっきのは夢？』





寝ぼけて自分の部屋まで来たのかな





それとも現実？









……ううん、夢じゃない。誰かが運んでくれたんだ





いつもと布団の敷く向きが違っている

寝ぼけていても向きを間違えないと思うし





何より向きが違うと違和感が酷くて眠れない





でも一体誰が……









──ｺﾝｺﾝ









？｢A、いる？｣





『いるよ』









ーｽｯ









訪ねてきたのは孫兵だった





孫兵｢静かだからいないのかと思った。そろそろ夕食の時間だから一緒に……どうしたの、ボーっとして｣









夕食、もうそんな時間か









『ううん……孫兵、ずっと自室にいた？』





孫兵｢うん、ジュンコたちと遊んでたけど｣









なるほど

首に巻きついているジュンコがご機嫌なわけだ









『この部屋に誰か来たか分かる？』





孫兵｢一人の足音が出入りしたのは聞こえてたからてっきりAのだと思ってたけど……Aがいるってことは別の人？｣





『そう……』





孫兵｢……本当にどうしたの？｣





『……大丈夫。さ、ご飯食べに行こ』









運んでくれたのは一体誰だったんだろう

見かけた人、他にいないのかな









『………っくしゅん』





孫兵｢風邪？気をつけなよ｣





『うん……手遅れだったみたい』





孫兵｢？｣









せっかく運んでもらったのに申し訳ない









⋮








『……ゲホッ』





孫兵｢これは完全に風邪だろうね｣









昨夜、くしゃみが止まらず

お風呂に入っていつもより早めに休んだけど









『ケホッ………へっっくしょいあ！！！』









確実に悪化している









孫兵｢……Aってくのたまみたいにお淑やかさが無いよね｣





『そりゃ忍たまだし』





孫兵｢まぁAらしくていいけど……｣









昨日伏木蔵たちにに注意しておきながら

自分が風邪をひくなんて





兵助先輩との距離はあくし、風邪はひくし

災難だなぁ









孫兵｢とりあえず先輩に……いや先に数馬呼ぼうか？｣





『ごめんね孫兵、迷惑かけちゃって』









わざわざ隣の部屋から出向いてもらって

一緒に着いてきてもらっているジュンコにも申し訳ない









孫兵｢気にしないでよ。クラスメイトでしょ｣

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