恋路は二人で歩きたい2 ytyb

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「半額だから実質一人分。やぶくん払わなくていいよ」


財布閉まってー、とさっき出した財布をポケットに戻される


「いや、それはさすがに、」


こちらも譲れませんよと食い下がる

一人分とは言え学生からしてみれば結構な痛手


「せめて、ワリカン」


カッコ悪いけどゆうとが引かないんだったらと妥協策を提案すると



うーんと少し考えた末、ゆうとが出した答えは


「じゃあ、やぶくん車出してよ。そしたら俺の交通費が浮く」


とチケット代よりも高い代替案


「はあ？ この水族館までどれくらいかかるか分かってんの？」
「知らない。そんなに遠いの？」


キョトンとした顔で聞き返された

車でいけないほどの距離というわけではないが、俺がゆっくりできないじゃん

電車で一時間以上寝れるのに、車で行ったら往復四時間くらいかかりそうだし

帰りはゆうと寝そうだし


「車だったらずっと二人きりだよ」


さっきと同様に車で行くことについて説得を始めたゆうと

二人きりというのは魅力的だけど、


「寝るでしょ？」
「寝ないから！」


すかさず否定してくるのがおかしくて


「わかったよ、じゃあ車ね」


簡単に折れてしまった


チラリと目に入ったゆうとの腕時計

ただいまの時間は11時半

しゃべりすぎた


何が“ちょっとね”だよ、ホント

もう少しで日付が変わってしまう


車で水族館デートが決まって嬉しそうなゆうとを


「はい、じゃあもう今日は帰ってください。おやすみ」


これ以上長居されないよう強引に体を回転させてドアの方へと向ける


「もう泊まってもいいじゃん」


と首を回して顔だけこっちを向いて少し抵抗するけど


「だめ、明日朝イチの授業でしょ？」


だから早く帰って寝なさい、とちゃんとした大人みたいなことを言ってなだめる

俺が学生だった頃なんてもっと生活リズムぐちゃぐちゃで人に言えたもんじゃないけど


「そうだけど、二日会えなかったからもっと一緒にいたいのに」


せっかく帰りやすいようにドアの方に向けてあげたのにまたこっちを向いて抱きつかれた

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