壁＝桑 ページ5
息を切らしてゼェハァとしているLv7になった王を横目にいま数ミリ先にある壁と遂にご対面した。
人差し指でなぞるように上から下へズルズルとやれば砂がパラパラと落ちてくる
『土、だなこれ』
｢土の壁なんぞ拳一つで壊してくれるわ！……っいったぁ！！！｣
こいつ、人が止める前に壁に殴りかかったぞ！？
『ほんっとうに阿呆だな！』
｢お主が土と言ったからであろう！？こんな固い土なんていままでみたことない！｣
そりゃそうだろうな、ったく。俺ですらこんな土壁見た事ないってのにチヤホヤさせられて育ってきた王様にゃあ分かりっこねぇよ
『まぁでも。これがなんだか分からないが似ているものなら知っている』
｢なんだ、なんだ？｣
『ｸｸｯ武器で抉ればいいんだ』
｢ほぉーー！こうか！？｣
Lv1の頃まで背負うのが精一杯だった真剣とりだして壁めがけてまっしぐら
見事に両腕の先から肩の方にブルブルブルっと振動で揺れているのが一目見てわかる
『あっはは、俺がそんなすぐに教えるわけないだろう。阿呆様』
｢だからっこの！はぁぁあーーっもう良い。この一日でお主の腹黒さは十分に理解した、うん理解したぞ｣
『そりゃどうも』
不貞腐れたように、そして煽るようにそう言うものだからあえて肯定してやる
そうすれば見事に耳を真っ赤にしてくれた
｢そろそろ本当に答えをおしえてくれ、何でもするから｣
『その言葉をまっていた！！』
｢え！？あっまかさ……ちょいまちっ前言撤っ｣
『やり方は教えるからこの桑で地道に掘ってくれ！』
その時にヒューと吹く風と一緒に王までも飛んで行ったかのような感覚に陥った
｢だと思った！面倒くさいの来ると思った！！普通、面倒くさい事は身分の低いものがやるべきだろう！｣
『え？』
｢なんでもないわ！やればいいのだろう！？やれば！だからそんなこわいスマイルをするでない！｣
『はいよっそれじゃあ俺は空がオレンジ色になるまで出掛けてくる』
｢なぜ！？迷ったらどうするのだ！？｣
『何処ぞの阿呆様と一緒にするな！1度歩いた道は忘れねぇよ』
｢なら俺も行くのだ！｣
『ステイ』
｢人を犬扱いするなぁーー！！｣
ついには別の意味で息を切らし始める王、
まぁこれに関してはからかいでもなんでもないさ
文句ダダ漏らしの王を背に右手を上げ戻ったら理由をたんまり教えてやると伝えて壁とは反対方向に歩いて行った
ついでに見つけたモノを拳で何度かぶっ叩いて金にすることも忘れずに……
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紅葉遥喜(プロフ) - とても面白いです！オリジナルファンタジーは、あまり拝見しないのですが、たった3話読んだだけでこの世界に入り込んでいました！ アカウントが違いますが、機種変しました。今後とも応援させていただきます！ (2019年6月1日 17時) (
レス) id: de41049d3c (このIDを非表示/違反報告)
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