壁=桑 ページ3
思っているよりも壁の距離はあるようで、もう夜になってしまった。
温暖としては別に寒くもなく暑くもなくちょうど良い。
だが問題は空腹だ……
とし王が食料持ってなかったのだとすると採集していた干物は3日もすれば尽きるだろう。
見たところ俺が今までいた場所のように干物は落ちていないだろうし
『飯あるのか』
いやない前提で考えるよりかはある前提の方が……当たればいいが
「ない!二日前に尽きたからな」
『尽きた……?』
「リュックに入れていた非常食を食べ尽くしたってだけだ」
非常食……!くそう。あくまでも此奴は王だ。忘れていた
非常食だなんて私生活ですら一生目にかかれない品物だって言うのに
「兎山はもっているのか?食料」
『これだ。』
布巾着に入れていた5センチサイズの干物を手のひらに数枚転がした
「それは一体なんなのだ」
『干物という食料だ。味はストロベリーに近いな』
「これが、か?うわーこんなん食えない」
『え?なに?誰も王に上げるとは言っていないが?えーーまさか自分も貰えるって期待してた?』
自分の食料をゴミ扱いされたから煽った
「う、うるさいなっ」
『耳真っ赤だぞー』
そして一枚をゆっくり一口噛みちぎって口の中で噛み尽くしてから二口目を行く
「なぜそんなゆっくり食べる?農民だとそんなに遅くなるものなのか?」
『満腹にするにはたくさん噛むほうがいいんだ。歯にも健康だしな。それに満腹中枢を麻痺させるのは農民の基礎中の基礎だ』
「本当に俺は外の世界を知らなかったのだな」
今までの傲慢な態度な自分が恥ずかしいと自負した事でさっきから感じてた差別意識も満足した
だから昔やっていたようにわしゃわしゃと髪の毛をあら撫でした時に気づいた
此奴……ヨダレ垂らしてちゃっかり俺の足を枕にして寝ている
自身の口元に干物の残骸をたくさん残して
俺が感傷に浸る間に何してくれてんだ!
とにかく今は起こしたくて仕方が無い。
代わりに明日は大量に働いて貰う、絶対に。
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紅葉遥喜(プロフ) - とても面白いです!オリジナルファンタジーは、あまり拝見しないのですが、たった3話読んだだけでこの世界に入り込んでいました! アカウントが違いますが、機種変しました。今後とも応援させていただきます! (2019年6月1日 17時) (レス) id: de41049d3c (このIDを非表示/違反報告)
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