泡を吐き出し、そして謳え【柊一颯】 (ページ8)

今日:1 hit、昨日:7 hit、合計:26,593 hit

・ページ8

｢君達が人質になったのは理由がある｣

クラスの殆どが感づいてる筈だ

その時、タイミング良くチャイムが鳴る

｢はい、起立!!｣

それに従い、立ったのは私だけ

｢なんだなんだ？Aだけかー？｣

おもむろに腕時計へと手を伸ばす

すると皆は慌てて起立をした

爆発されたらたまったもんじゃないからだ

｢これから、俺の授業を始める。礼｣

頭を下げたのは数人だけ

｢着席｣

全員が座ったのを確認して

｢どうしてこのクラスが人質になったのか、わかる人!!｣

元気に手を挙げた

当然答えるものはいない

｢じゃあ、宇佐美｣

｢はぁ？わかるわけないし｣

｢よく考えてみて｣

｢…みんながぶっきーに酷く当たるから｣

｢なるほど。まぁ、確かに教師に対するリスペクトはゼロだよな。でも、そんな理由でここまでスペクタクルな仕打ちはしないよ｣

確かに、それのせいで人質に取るわけがないだろう

｢ヒントは、他のクラスにはなかったことだ｣

皆も勘づいていることだろう

｢じゃあ諏訪｣

｢警察沙汰になった奴がいる｣

｢てめぇ喧嘩売ってんのか!!｣

数ヶ月前に、甲斐が暴力事件を起こして警察のお世話になっていたことを思い出す

｢まぁ、確かにそれも関係無くはない｣

────バンッ

その音が気になり、後ろを向くと

『澪奈ちゃん』

彼女の机に手を置いていた

私が呟いた名前に、皆の肩がぴくりと震える

｢A、なんて言った？｣

『景山澪奈が死んだこと』

そう言うと先生がにこりと微笑んだ

｢ぴんぽーん！｣