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エピソード8 ページ33

気分転換に買い物でも。
そんな提案によって、ショッピングモールに到着した。
周りにはカップルと思わしき男女二人組がゴロゴロと跋扈している。


「わー、人いっぱい」


思わずそう呟いた。
ショッピングモールなんて、久しぶりだと思いながらも並び立つお店をキョロキョロと見渡し、その度に、仲良さそうな恋人達が目に映る。

手…いいなぁ。

何の温もりもない空っぽな自分の両手を眺めて、隣を歩くゾムくんの大きい手に視線を向ける。


「A?」


「え?あ、ごめん。ボーッとしてた」


「ふーん。…ボーッとしてた?」


ヒラヒラと私に手を見せつけるように振って、ニヤニヤと笑うゾムくん。
何でもお見通しのゾムくんに、何も言えなくなって、むっと口を閉じる。


「んふ、手、繋ぎたいんやろ?ほーら、握って?」


「……ん」


仕方ないので、ゾムくんの手を握る。
手のひらからゾムくんの体温が伝わってきて、不思議と頰が緩んだ。


「……こんなんで、喜ばれても困るんやけどなぁ」


そう言いながらも、ゾムくんが私の手を握りなおす。
指と指を絡ませて、「俺はこっちの方が嬉しいんやけど」と笑うゾムくんの横腹を軽く殴る。

あ、つい。


「ほんま、可愛ええ〜」


「うるさい」


横腹を痛がることもなく、嬉しそうに私の手を握るゾムくんにため息。


「もう!ほら、あそこの雑貨屋さん見てみよーよ」


「おん!えーよ」


目に映ったお洒落な雑貨屋さん。
話題を無理矢理に逸らし、手を繋いでいることを忘れて、雑貨屋さんに走り寄る。


「ふっ…、子供みたいやなぁ」


私のペースに合わせて走ってくれていたゾムくんに「あ、ごめん」と申し訳なさげに肩を萎ませれば、撫でられる頭。


「気にせんでえーよ。わ、これええな〜!」


そういうところだよ。

好きだなぁ。と思うのと同時に、少し納得のいかない自分がいて。


「子供なゾムくんにお似合いだね」


と、いたずらっ子ぽく笑ってみて、ゾムくんが良いと言っていた雑貨…ぬいぐるみを手に取る。
手に持ったぬいぐるみは可愛いウサギで、真っ白な毛がふわふわと気持ちいい。
「んふふ、やっぱり、お似合いやろ??」


そうすれば、ゾムくんはお腹を抱えて笑い始めたので、首を傾げた。
皮肉だったのに。なんて思いながらも、ゾムくんが嬉しそうに笑う理由が分からなくて、戸惑う。


「これ、Aに似とるもん」


ウサギの耳を掴んで弄ぶゾムくんは、一言そう言った。

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月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます!もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね!(笑) (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます!続編も頑張ります!(笑)rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます!(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ!そんなことないです(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい!!あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2020年12月27日 17時

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