検索窓
今日:28 hit、昨日:4 hit、合計:181,027 hit

ページ32

「えっと…ゾムくん?」


流石に心配になって、声をかければ、それと同時にパタンっとゾムくんがパソコンを閉じた。


「…A」


「う、ん…」


よく分からない重たい空気に、身構える。
構って。なんて言ったから、面倒くさい女だと思われてしまったのかもしれない。
嫌な雰囲気に、ゴクリと唾を飲み込む。


「…終わらせた」


「う、うん。頑張った、ね?」


「ベッド、ええ?」


「ぁ、うん」


予想外の会話に当惑しながらも。
起き上がって、ゾムくんが座れるようにスペースを作る。
まるで忍者のような速さで、ベッドの上に座ったゾムくんは、すぐに私を優しく抱きしめた。
一瞬のことで、頭が真っ白になるが、ゾムくんの温もりだけは理解できる。


「……はぁぁ、かわいすぎて、焦ったわ…」


「え?」


「普段、甘えてこおへんのに。流石にズルい」


「えぇ?」


「キスねだるのも良かったけど、構ってとか、殺す気なんか」


わー、凄いなぁ。一段と、溢れるなぁ。

ゾムくんから溢れ出る言葉に、嫌な気はしないものの、反応には困る。


「って、ことで。いっぱい、構ったるからな〜!」


挙げ句の果てには、そう言ってニッコリ笑うゾムくんに、苦笑いを返した。
でも、構ってくれるのは、たしかに嬉しい。なんて考えて、ギュッとゾムくんを抱きしめ返す。


「何してほしい?」


「お話」


「えー?」


えーって何。不満か?

私の肩に顔を埋めて、ぐりぐりと押すゾムくんに「じゃあ、何がいいの?」と聞く。
そうすれば、待ってましたとでも言いたげに、目を輝かせながらもゾムくんは顔を上た。


「キスしよ?」


何となく予想できていた答えに、首を横に振れば、ゾムくんは不満そうな顔をして、私の頬を両手で包む。


「あんな煽られて、一回だけとか、無理に決まっとるやろ」


と、訳の分からない理由を述べながらも、私の頰でむにむにと遊ぶゾムくん。


「ま、するんやけどな」


私が返事をする前に、ゾムくんは、唇にキスを落とす。
これでは、いつものゾムくんのペースである。


「…仕方ないなぁ」


まぁ、いっか。
なんて、ゾムくんの手のひらの中で踊ることを許容して、降ってくるキスを受け止める。
結局、嬉しいと思ってしまう時点で、私の負けで。こうなることを望んでいたところもある私は、ゾムくんに溺れている。

エピソード8→←↓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (114 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
372人がお気に入り
設定タグ:d! , wrwrd , zm
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月見(プロフ) - RURUさん» 感想ありがとうございます!もっと、二人の仲を上手く書けるように頑張りますね!(笑) (2021年1月23日 16時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
RURU - 尊い…(尊死)好k(昇天) (2021年1月14日 16時) (レス) id: 4226f6833e (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - あんこおさん» 感想ありがとうございます!続編も頑張ります!(笑)rdさん了解しました。私も考えていたので、絶対書きます!(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
月見(プロフ) - みかん_(:3」z)_さん» いえいえ!そんなことないです(笑) (2021年1月14日 0時) (レス) id: 1f912309a9 (このIDを非表示/違反報告)
あんこお - もう夢主もZさんも可愛すぎてこっちが昇天します。続編頑張って下さい!!あと、ついでに青いrdさんと絡ませてくれると嬉しいです() (2021年1月11日 19時) (レス) id: 922d9dcc2b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月見 | 作成日時:2020年12月27日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。