あ、ども。国見ツインズやってます。【ハイキュー】

にじゅうろく ページ27

国見英side



試合に負けて、少し落ち込んだ

でも、Aがまたバレーに触れるきっかけになったのなら良いと思った


Aを囲む輪からAが出てきて俺の目の前に座って一緒にストレッチしだした時はどう声をかけようかと思ったけど、結局俺から声をかけて、「楽しかったかよ」なんて聞いてしまった


少なくとも、最初に見ていた思い詰めたような顔をしていなかったことに少しホッとしたけど、本人の口から聞くまでは安心できなかった

またコイツがバレーから離れてしまいそうな気がして




「楽じがっだ！！！」




そう言って泣き始めた時はビビった


けど、涙を流しながらも、俺の目をまっすぐ見て逸らさないことから、本心なんだなと思ったのと同時にひどく安心した。




「……ありがと」


「ほんと手のかかる弟だよ」




ぽん、とAの頭に手を乗せて言うと「10分くらいしか変わんないじゃん」と返ってくる

生意気、と思いながらも顔を見るとさっきまでの攻撃的な顔ではなく、昔のように無邪気に笑っていた


先輩方はソワソワしながら俺たちを見守っていて、Aが泣き始めたあたりからギョッとしていたけど、今では彼らも各々に騒いでいる




「ごめん」


「なにが」




なにが？


心当たりはいくつも、というか心当たりしかないけど、分かった上であえて聞こう。

なにが？？？




「色々、あの、やつ当たりしたりして」


「あぁ、帰り際に怒鳴って行ったり」


「う"……」


「先輩にも失礼な態度取ったしね」


「えーっと……」


「家でも一言も話しかけてこないし」


「ほんとにごめんなさい……」


「いいよ、俺も意地張ってただけだし。こっちこそごめん」


「…うぅ」



「っだから泣くなって！？！？」




今までの分の、約2年分の溝が少し埋まった気がした


誰かが泣いた時の慰め方なんて知らないからアワアワしていると先輩方が来て




「あーっ！国見ちゃんがAくん泣かしたー！！」


「うわっ、ほんとに泣いてる…… 国見、お前なに言ったんだよ！！」


「おら、泣いてんじゃねぇ。鼻かめ、はいちーん」


「あははは！兄弟喧嘩か！それもまたよし！！」


「ちゃんと仲直りしましたかぁ？」



「国見、Aと仲直りできたのか？？」


「金田一うるさい」


「なんで俺だけ！？」




あぁ、もうなんなんだ！！

世話を焼きたがる先輩ばっか！！！


でも、こんな人たちだからこそ助けられたんだよなぁ……不本意だけど。ほんとに不本意だけど。




「泣いてないです！！！」


「それは嘘だよ？？」


「ぎゃはははは」

にじゅうなな→←にじゅうご

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す