あ、ども。国見ツインズやってます。【ハイキュー】

にじゅうご ページ26

結局、23対25で俺たちが逆転勝ちした

同じチームの3人にはさっきとは比べ物にならないくらい揉みくちゃにされた




「つ、疲れた…」


「おつかれ！」




俺はもともと体力がある方じゃないし

さらにバレーから離れていたため、著しく体力が落ちている


その場に座り込んでしまった俺の周りには、わらわらと人が集まってくる




「それにしても、A凄かったな！なぁ、金田一」


「俺最初、花巻さんが嘘ついてんのかと思ってました」


「え、金田一までそんなこと言うの！？」


「まぁまぁ。でもこれから一緒に戦えるとなると心強いですね！」


「矢巾の言う通りだ。本当に凄かったな」


「岩泉さんまで、照れますって……」




照れるなぁ……

例えお世辞だとしても嬉しい


みんなに撫でくり回されながらわちゃわちゃしてると、少し離れたところに英が1人ストレッチをしているところが見えた


英……

みんなの輪を抜けて英と向かい合うように座る





明らかに嫌そうだ

先輩方はそんな俺たちの様子を静かに見守ってくれてる


俺もストレッチを始めると、無言の空間ができてしまった

先輩方がソワソワしているのが伝わってくる


なんて切り出そうか悩んでいると、先に口を開いたのは英だった




「負けた」


「…？」


「お前に、負けた」


「俺が…… 俺が、お前に負けるわけないだろ」




これ以上、英との溝が深まったらどうしよう

もう元のようにはなれないのかな



謝らないと……

謝って、ちゃんと伝えないと


ごめんって

バレー辞めたのは自分が弱かったからだって

たくさん手を伸ばしてくれてありがとうって、




「っあ、あき」


「楽しかったかよ」


「…え？」


「久しぶりにやったバレーは……

青葉城西でのバレーは、俺とのバレーは、楽しかったかよ」




青葉城西の人たちとやったバレー

ここでやったバレー

英とやったバレー


英の一言でさっきまでの試合の光景が鮮やかに思い出される




「っ楽じがっだ！！！」


「っハァ！？な、泣くなよ！！！」




思ったよりも跳べなかった

でも、飛びたいように飛べた


思ったよりも下手くそになってたスパイク

でも、打ちたいように打てた


思ったよりも拾えなかったレシーブ

でも、フォローし合うたびに叩かれる背中が嬉しかった



思ったよりも取れなかったコミュニケーション

でも、彼らは、歩み寄ってくれた




「……ありがと」


「ほんと手のかかる弟だよ」




そう言って頭に手を乗せてくれた

英なりの優しさ

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