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注意を促すような口調で、そう呼び掛かるものの



黒羽にはその言葉が響く様子もなく



「…楽しそうな玩具が目の前にあれば、誰だって手出したくなるでしょう。」



「反応が面白ければ…色々試してみたくなりますし、知的好奇心みたいなものですよ。」



取り出した薬と包帯をしまいながら、不死川の言葉に対してそう返答する。



その言葉を受け、不死川が呆れたような視線を向ける中



黒羽は付け足すようにして、ふたたび口を開き



「あァ…でも安心して下さい。私、物持ちはいい方なんで…そう簡単に目移りはしませんよ。」



「気に入った玩具は…壊れるまで使い続けます、」



ニコッと微笑み掛けながら、不死川に対してそんな言葉を投げ掛ける。



「…?」



言葉の意味が分からず、不死川が不思議そうな表情を浮かべていると



黒羽は用具箱を机上へと置き、その場に立ち上がったかと思えば



「不死川さん、そろそろお昼時ですし…ご飯行きましょうか。」



「今日は…そうですね、肌寒くなってきましたし…何か温かいものが食べたいです。」



診察室の扉を開けながら、不死川に対してそう声を掛ける。











「お前…また俺に奢らせるつもりだろォ…、」





「当たり前ですよ、今手当てしてあげたでしょう。」





「アンタの手当ては業務外なんで…それなりの対価を貰わないと。…で、どうします?今日は何処行きます?」






「何で俺の手当ては業務外だァ、ふざけンなァ___」












そんな会話を交わしながらも、不死川は黒羽の隣へと移動し



共に廊下を歩きながら、行き先を決めていると



「あ、師範…お戻りになられてたんですね。」



「あら…紫、不死川さんも…。」



廊下の角を曲がった所で、帰宅した胡蝶と出会し



「今から不死川さんの奢りでご飯に行くんですけど…師範もご一緒にどうですか。」



「…誰も奢るなんて言ってねェ、」



そう言って黒羽が胡蝶を誘うものの、



「(……)」



胡蝶は少し何かを考えた後、いつものような笑顔を向けて



「いえ…私は、遠慮しておきます。」



穏やかな口調で、黒羽に対して言葉を返す。



黒羽は少し残念そうな様子で「…そうですか、」と呟きながらも



「不死川さん、行きますよ。」



すぐさま切り替え、ふたたび不死川と共に歩き出す。



「…鍋とかどうですか、牛鍋。肉食べたいですし___」

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作者名: | 作成日時:2023年11月1日 0時

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