検索窓
今日:34 hit、昨日:10 hit、合計:8,811 hit

140 ページ43

屋敷の中へと目を向け、不死川がそう尋ねる中



「…まァね、二年もあれば人は変わるよ。今では片付けなんて朝飯前さ。」



九條は表情一つ崩す事なく、不死川の問いに対してそう返す。



「(……)」



不死川は九條の言葉を聞き、口を閉ざしたかと思えば



「中、見させて貰うからなァ___」



半ば強引に屋敷へと上がり、一つ一つ部屋を確認していく。


















「(___俺って…もしかして嘘下手…?結構頑張って取り繕ってるつもりなんだけどな…。)」



不死川の後を追いながら、九條がそんな事を思う中



「(…!)」



先を歩く不死川の手が、とある部屋の襖へと差し掛かかったところで











「不死川くん、此処らで…止めにしておこうか。」











九條は常人とは思えない力で、不死川の腕を掴み上げ



「連絡もなしに訪ねてきて、無許可で屋敷に上がるなんて…いくら何でも不躾すぎるよ。」



「それに俺はこれから縁談__じゃなく……用があるから、今日はもう帰ってくれないか。」



微笑を浮かべながら、不死川に対してそんな言葉を投げ掛ける。



対する不死川は、九條の圧に臆する事なく



「…手離せェ、」



吐き捨てるようにして言葉を返すものの



九條は先程よりも強い力で不死川の腕を掴み



「『嫌だ』…って言ったら、?」



挑発するかのような笑みを浮かべ、不死川に対してそう尋ねる。



「その時は…テメェの腕、へし折ってでも____」



不死川が九條に対してそう言い掛けた時だった。
















「……はぁ、」



襖の向こうから、深い溜息が聞こえてきたかと思うと













「本当…アンタらは、血の気が多いですよね。」



「二十超えた大人が…些細な事でピリピリしないで下さいよ、聞いてるこっちが恥ずかしいです。」













黒羽は襖越しにそう告げた後、



「九條さん、もういいです。後は私が話付けますから…アンタは縁談行って来て___」



そう声を掛けると、九條は黒羽の言葉を待たずして



「じゃあ行ってくるよ、留守頼むね。」



不死川から手を離し、玄関の方へと向かっていく。



「(多分、今日も…上手くいかないと思いますけどね…。)」



黒羽が呆れた様子でそんな事を思う中、



「……紫、」



不死川は黒羽の名を呼び、襖へと手を掛けるものの



「不死川さん、このまま話しましょうか。…アンタの顔見ると余計に体調悪くなりそうなんで。___」

【お知らせ】→←139



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
117人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2023年11月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。