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黒羽はそんな事を思いながらも、先程の問いに答えるようにして
「手紙…読みましたよ。同封されていた写真も目を通しました、」
そう返答すると、九條はふたたび黒羽の方へと振り返り
「…どうだった？」
期待の眼差しを向けながら、そんな問いを投げ掛ける。
「まだ手当て中です、前向いて下さい。」
対する黒羽は、ふたたび九條を前へと向かせた後
「どうって言われても…手紙の内容はともかく、何ですかあの写真。」
「…アンタの生写真渡されても、何の価値もありませんよ。新手の嫌がらせか何かですか、」
軽く溜息を吐きながら、九條に対して言葉を返す。
「あァ、あれは…外向きで撮ったつもりだったんだけど、間違えて内向きにしてたみたいでさ…。」
「捨てるのもアレだから、そのまま紫に送った。…俺の貴重な生写真、部屋にでも飾っといてよ。」
呑気にそう話す九條に対して、黒羽は「嫌ですよ」と返した後
「アンタの写真はひとまず置いといて、それ以外の写真も目を通しましたけど…___」
「まァ…アンタにしてはいい出来かと。成長しましたね。」
そんな言葉を九條へと投げ掛け、
その言葉を聞いた九條は、何やら嬉しそうな様子で
「…だろ、？俺にしては頑張った方だよ。」
「一番に紫に見せたくてさ…悪いね、急に手紙なんか出して。」
ニコニコと微笑みながら、黒羽の言葉に返答する。
「…いえ、私もアンタに手紙出そうかと思ってたので…ちょうど良かったです。___」
黒羽は九條の言葉にそう返した後、
「ところで…アンタこそ、私の手紙読みました？」
包帯を巻き終えると同時に、そんな問いを九條へと投げ掛ける。
「…うん、全部読んだよ。」
九條は少し視線を落としながら、返答した後
「紫は…本当にそれでいいの、？」
言葉足らずな問いを、黒羽へと投げ掛け
対する黒羽は、取り出した包帯を用具箱へとしまいながら
「こんな事頼めるの…アンタしかいないので、引き受けて頂けると此方としては助かります。」
淡々とした口調で、九條の言葉に対してそう返す。
その言葉を聞いた九條は、改まった様子で黒羽の方へと向き直り
「分かった、君がそう言うなら…引き受けるよ。」
「でも…もし今後、紫の気が変わるような事があれば…その時はいつでも___」
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作者名：雫 | 作成日時：2023年11月1日 0時
