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そう告げたかと思えば、黒羽は一瞬にして表情を無へ戻し



「…というか、いい加減帰って貰えます?」



「アンタと無駄話してる程、こっちは暇じゃないんですよ。他にも色々とやる事あるので、」



素っ気ない口調で話しながら、戸棚から薬品を取り出していく。



「あ、はい…!すみません…、」



玄弥は謝ると同時に、すぐさまその場へと立ち上がり



「診察…ありがとうございました。」



丁寧に頭を下げ、診察室の扉へと手を掛ける。



「……、」



黒羽は立ち去ろうとする玄弥の後ろ姿へと、目を向けたかと思えば



「そう言えば…アンタ、私と同い年なんですね。」



机上へと置いていた診療録へと視線を移しながら、そんな言葉を投げ掛ける。



玄弥は振り返ると同時に、少し驚いたような様子で



「え…そうなんですか…!?俺、てっきり黒羽さんは年上だと…。」



「そうですか、私はずっと年下だと思ってましたよ。癇癪持ちと聞きましたし…明らかに落ち着きないんで、」



「……」



容赦ない言葉を受け、玄弥が落ち込んだ様子でいる中



黒羽はそんな玄弥の様子を気に留める事なく、薬品の整理を行う傍ら



「まァ…同い年ですし、仲良くいきましょうよ。」



「敬語、使わなくていいですよ。あと『黒羽さん』って堅苦しい呼び方も辞めて貰って…、気軽に接して下さい。」



そう告げるものの、玄弥は戸惑った様子で



「いや…でも、黒羽さんは…俺より全然しっかりしてますし……、」



「いきなり馴れ馴れしい感じでいくのは…気が引けるというか…、…___」



口先でぶつぶつとそんな事を呟いていると



「 玄弥 」



自身の名を呼ぶ声が、玄弥の耳へと届いたかと思うと



「…またね、任務気を付けて。」



黒羽はふっと微笑み掛け、ひらひらと軽く手を振りながらそんな言葉を投げ掛ける。



対する玄弥は、一瞬硬直したかと思えば



「…お、おう…。」



ぎこちなく手を振り返すと共に、何とか黒羽の言葉に返答し



上気した顔を伏せるようにして、直ちに診察室を後にする。















玄弥が去った後、黒羽は手に取った薬品へと目を向けて



「(兄弟揃って…いじめがいがありますね。)」



そんな事を思いながら、薬品の整理を行っていると



診察室の扉が勢いよく開き



「あ、不死川さん…またアンタですか。」



「無茶はするなと、師範にあれ程言われてるってのに…また派手に傷つくって来ましたね。___」

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作者名: | 作成日時:2023年11月1日 0時

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