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***

(No side)















___後日、いつものように不死川と食事を終えた黒羽は



「あ、不死川さん。私この後寄る所あるんで…送っていただかなくて大丈夫ですよ。」



不死川に背を向け、蝶屋敷とは反対方向へと歩き出す。



日が落ち始め、辺りが暗くなる中


 
「…一人で大丈夫かァ、」



立ち去ろうとする黒羽に対して、不死川がそう声を掛けると



「アンタ…私の事、いくつだと思ってるんですか。いい加減、子供扱いするの辞めてください。」



黒羽は不死川の方へと振り返り、不服そうな視線を向けながらそう告げた後



「あ…そうだ。アンタ、帰りに蝶屋敷に立ち寄るって言ってましたよね。」



「屋敷内の誰でもいいので…『今日は知人のもとで世話になるので帰らない』と伝えてもらえませんか。」



思い出したかのような様子で、そんな言葉を不死川へと投げ掛ける。



その言葉を受け、不死川は「分かった」と返した後



「今から…誰かに会いに行くのかァ」



そんな問いを黒羽へと持ち掛け、



「まァ…はい、そんな所ですね。」



「……」



黒羽がそう返答すると、不死川は少しの沈黙の後



「今から会う奴ってのは…男かァ、」



突如、そんな問いを黒羽へと投げ掛ける。



「…は、?性別…関係あります?」



その問いに、黒羽が怪訝な表情を向けると



不死川は何か言いたげな様子ではありながらも、黒羽に背を向けて



「…悪ィ、今言った事は忘れろォ」



「またなァ」と一言告げて、その場を立ち去っていく。
















「(…変なの、)」



去っていく不死川の後ろ姿に目を向けながら、そんな事を思った後



黒羽は街中を抜けた先にある、とある屋敷へと辿り着く。



「(相変わらず…無駄に広い屋敷…。)」



そんな事を思いながら、敷地内へと足を踏み入れると



地べたにはうつ伏せの状態で、赤髪の男が転がっており



「アンタ…何してるんですか、」



「…うっ…、…」



黒羽が声を掛けると、その言葉に返すようにして微かな呻き声が聞こえてくる。



「……、」



黒羽はその場にしゃがみ、男の容態へと目を向けた後



「…また女にでも振られて、やけ酒してきたってところですかね。___」



首根っこを掴み、男を引きずりながら屋敷の中へと足を踏み入れる。



雑に布団へと放り込んだ後は、慣れた様子で棚から薬を取り出し



「薬と…水ですね、少しはマシになるかと思うので早く飲んで寝て下さい。」

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作者名: | 作成日時:2023年11月1日 0時

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