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***

(No side)
















___とある街中の食事処にて、



「…不死川さん、そこの肉取らないで下さいね。私が先に目付けてたんで。」



そこには、ひたすら肉を口へと運ぶ黒羽の姿と



「お前…肉しか食ってねェだろォ、いい加減その偏食直せェ」



軽く溜息を吐きながら、黒羽と食事をする不死川の姿があり



「つーかよォ…お前が肉ばかり食うせいで、俺の分ほぼ無ェンだけど…。」



目の前の黒羽に対して、不死川がそう声を掛けるものの



「まァ…私の方が若くて育ち盛りですから、仕方ないですよ。年寄りはしらたきでも啜ってて下さい、」



黒羽は何食わぬ顔でそう返しながら、ふたたび肉を口へと運ぶ。



「ふざけんな、誰が年寄りだァ…」



黒羽の言葉を受け、不死川が若干苛立った様子でいると



「全く…仕方ない人ですね、」



黒羽は一旦箸を止め、溜息を吐いたかと思えば



「食べ物の恨みは怖いと言いますし…少しくらいなら譲ってあげますよ。」



「ほら、口開けて下さい。」



箸で掴んでいた肉を不死川の方へと差し出す。



対する不死川は、訝しげな目を黒羽へと向けており



「(これは…絶対ェ罠だろォ…)」



「(俺にやると見せかけて、最終的には自分で食うつもりなンだろうなァ…。)」



不死川が内心そんな事を思っていると、



「…早く食べて下さいよ、腕疲れるんで。」



黒羽はそう言いながら、不死川の口元へと肉を持っていく。



「……、」



不死川は疑いながらも、黒羽の呼び掛けに応じるようにして口を開け



「美味しいですか、」



「…美味ェ、…。」



呟くようにして、黒羽の言葉に返答すると



黒羽はふっと微笑みながら「そうですか」と返した後



「…やっぱり肉は高いものに限りますね、店此処にして正解でしたね。___」



ふたたび鍋へと箸をつけながら、そんな言葉を不死川へと投げ掛ける。



対する不死川は、先程含んだ肉を飲み込んだ後



「(いつもみてェに…意地悪しねェンだなァ…。)」



ふとそんな事を思うと同時に、先程…微笑み掛けた黒羽の表情が思い起こされ



「……、」



心情には微かな揺れが生じるものの、



「(気のせい…かァ___)」



特に気に留める事なく、その後も箸を進めていった。

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作者名: | 作成日時:2023年11月1日 0時

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