なぜか、私があのアイドル全般のメイク担当になった。4 (ページ34)

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133、聞いてない　Ⅲ ページ34

「どういうことですか！！私、一切聞いてないですよ！！」

「ほんとにごめん！藤咲！」

　さっき聞かされた要件に、私は何度も何度も断りを言った。

　けど･･･

　そんな効果、ひとつもナシ。

　ジャニー社長は、一歩も譲らなかったんだ･･･はぁ･･･。

「あと、騙してごめん。私が事故だってくらい言わなきゃ、絶対藤咲来ないと思ってたから･･･悪い」

　･･････なんか、結構な一言をさらりと言われたぞ。

「藤咲先輩、ほんとにすみません！ほんとに反省してます･･･」

　次に来たのは秀翔くん。

　秀翔くんに呼ばれたから来たんだよ？

　それに、騙してたなんて･･･

「･･････申し訳ないですけど、この仕事は引き受けられないっていうか･･･」

「藤咲。お願いだ。引き受けてくれ」

　ぶ、部長･･････

「このこと、知ってたんですか？みんな」

「･･･あぁ。私と浅泉で計画はしていた。お前に言わないでおいて、すまない」

　ぶ、部長が。

　いま。

　私に対して。

　頭を下げたぁあ！？

「藤咲先輩、すみません･･･」

　･･･どうしよう。

　何回もジャニーさんに断ったけど･･･。

　だめだ、絶対に私の意見は通らないだろう。

「･････････わかりましたよ。引き受けます」

　ここで討論しても確実に結末は変わらない。

「ありがとう、藤咲･･･！」

「藤咲先輩･･･！」

　ジャニーズ全般のメイク担当になったと思ったら。

　
　次は、コンサートツアーのメイク担当。

　こりゃ、出張か。

　はぁ･･････気が重い。

　けど、

　嵐の担当ってとこだけは嬉しいな･･･。

「藤咲、メイク担当のこっちの仕事は気にするな。だが、コンサートの会議は、明後日からのようだぞ？」

　―――は！？

「急で本当にすみません。ですが藤咲先輩。もう準備しないと間に合わないですよ？最初の公演は、北海道の札幌と聞いていますから」

　う、うそやろ。

　ぜんっぜん時間がないじゃん！！

「やっぱりその仕事は･･･」

「その言葉は、もう受け付けない」

　ぶ、部長めっ！！

「まじで、ほんとにどうしよう･･････」

　独り言が、珍しく零れた―――

　この時の私は、知らなかったんだ

　なぜ、私がコンサートツアーのメイク担当に選ばれ、

　これからなにが
　

　起こるかってことを―――