なぜか、私があのアイドル全般のメイク担当になった。4 (ページ31)

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130、メイクアップドールページ31

･･･部長、大丈夫かな。

　部長を心配している私。

　なにも、ケガとかしてる様子じゃなかったんだけど･･･。

　しかもバイク衝突って･･･。

　
　生きてるのかな？

　いや、生きてるか。あの人は。

　
　数分前、秀翔くんからメールが入ってて、場所を伝えてくれた。

　だけど、そこは病院じゃなくて。

　見覚えのあるところだった。
　
　『藤咲美学館』そう記されている。

　･･･美学館？は？なにそれ？

　そう思ったけど、部長がケガをしているのは確かだろう。

　気づけば、全力疾走していた。

　その美学館は、日本でも有数の私立のもの。

　『藤咲美術館』と同じく、私の苗字『藤咲』の名前が入っている。

　まあ、気のせいだろうけど。

　
　そしてやっと、『藤咲美学館』に着いた。

「部長っ！」

　･･･なにこれ。

　なにこの、大きすぎる建物。

　藤咲美術館と同じくらいのおしゃれさに、大きい建物。

　異様に多い、警備員。

　すると、その警備員さんの一人が。

「藤咲･･･様ですか？」

「･･･はい、そうですが」

　藤咲、様？

　様付けの言葉に驚き。

　すると、警備員さんは、無線で確かにこういった。

「藤咲様がおいでになられました。今からそちらに向かいます」

　･･･え？

　ちょっと待って、どいうこと？

　部長は、いないの？

〈了解〉

　無線独特の声。

　ほんのかすかの声だったけど、聞き覚えがある。

　この声―――。

　秀翔くんだ。

　え、なんで？

　すると。

「こちらに」

　そう言って、ゆっくり歩き出す警備員さん。

　すると、周りにたくさんの警備員さんが群がってくる。

　な、なに！？なんなの！？
　
　
「あの、部長は！？」

「赤川部長様ですか？もういらしてますよ」

　･･･え。

　病院なんじゃ･･･。

「え、生きてるんですか？」

「･･･生きてますけど･･････」

　え。

　バイク衝突じゃないの･･･！？

「あの、これって、なんなんですか？」

「あれ、お聞きになっておりませんか？」

　え、何があるって言うんですか。

　
「有名なあの『メイクアップドール』の社長さんがいらしているんです」

　『メイクアップドール』

　超有名のファッションブランドで、私もその名前は知っている。

「え、そうなんですか？」

「その社長さんが、あなたに興味あるみたいなんですよ」

　え、興味？

　