50.黒冥ＶＳジュダル ページ50
[ジュダル]
ん…………もう朝か。
ゆっくりと目を開けると、
俺の腕の中で寝息を立てて寝ているAがいた。
昨日の出来事を思い出して、
少し照れくさくなる。
笑っちまうよなぁ。
恋なんざ興味なかった俺が
こんなに焦がれてるなんて。
ゆっくりと起き上がり
彼女にシーツをかけて部屋を出た。
カタをつけないといけねぇんだ。
恐らくあの暴力皇子は今日煌帝国に来る。
紅炎の話じゃ、
Aに求婚を求めてくるらしい。
そんなの許さねぇ。
あいつが幸せになれるならそれでもいいが、
あんな暴力野郎の所にAを置けない。
決心をして、
紅炎の部屋に入った。
中に入れば予想通り、
紅炎、紅明、黒冥がいた。
黒冥「何度も言わせるな紅炎。
あの女を俺の妻にさせろ。」
紅炎「何度も言ってるが、
お前にそれを決める権限はないはずだ。」
黒冥「いいやあるな。
昨日俺は彼女に勝った。お前も見ただろ？
あのボロボロの姿を。
俺の圧勝だ。なら勝ったオスは負けたメスをどうしようが構わぬはず。」
こいつ…………！！
黙って紅炎との会話を聞いてりゃ
腹が立って仕方がねぇ。
ジュダル「昨日ぶりだな。王子様よ。
悪いがあいつはお前にはやらない。」
黒冥は俺を見るとにやける。
黒冥「ほぉ。神官殿ではないか。
どうして他人に興味なかったはずの貴方がそこまで彼女を庇う？
もしかして、本気で彼女に惚れてるのか？w」
ジュダル「ははっ！！
惚れる？んな大層な感情俺には必要ねぇ。
お前は目障りだ。
とっとと消えろ！サルグ・アルサーロス！」
俺の氷魔法をいとも簡単に避けられた。
だが！！
雷魔法も同時に出してやる！
黒冥「なっ……！？何だこの魔法は！！」
ジュダル「お前、魔道士みてぇだな。
俺はマギ様さ！！お前なんざ足元にも及ばねぇよ！
もう一度！サルグ・アルサーロス！！」
黒冥「うわぁぁぁぁぁ！！！！」
ジュダル「おいおい、
こんなんでくたばっちまうのかよ？？
俺はもっとお前をいたぶらねぇと気が済まねぇ！！
立てよ！！その生意気な面が怯えるまでいたぶってやる！！」
黒冥「ひぃっ………！！」
そこからはとことん馬鹿皇子をいたぶってやった。
最後には震えながら帰ってったなぁ！
あの皇子は単純に剣の腕が良いだけ。
魔法となったら3流以下だな。
これでAは婚約されずに済む。
俺が守れたんだ。
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作者名：花月 | 作成日時：2020年9月23日 3時
