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49.ジュダルの気持ち ページ49

[ジュダル]




ジュダル「本当に心配したんだからな。」




A「ごめんね…。」





自分が死にかけてたというのに、
Aは涙を流さない。




夢で見た彼女を思い出す。
夢では手を引いて止めることが出来なかった。




ならせめて、涙が出ないなら
俺が安心させてやる。




優しく包み込むように
細い体を抱きしめる。





A「どうして…こんなに優しくするの…
これ以上私を困らせないでよ…。」





ジュダル「っ……………。」





そう言ってAは
俺の胸板に顔を埋めてきた。




これは、反則だろ…。
いきなりの事で心臓がうるせぇ。



そしてゆっくりと彼女は
俺の頬に手を伸ばす。




触れられてるところが熱い。
でもほんのり温かいこの手の温もりが好きだ。





A「これ以上、私を困らせないでよ…。」




そう言っている彼女は、頬が赤く染まってて、
いつも戦闘で見せる時の目とは違い、
可愛らしげのある表情をしていた。




それはこっちのセリフだっつの。

こんなに耐えていたのに…
ダメだ、そんな可愛い顔されたら堪えられねぇ。





俺は彼女の頬に触れ、
ゆっくりと顔を近づけて口付けをした。




触れるだけの口付けだったが、
彼女の熱が伝わってとても甘かった。





唇を離してAの様子を見ると、
顔を真っ赤にして照れて、俺の胸板に顔を埋めてきた。



なんだよその反応。
可愛すぎるだろ。





A「ジュダルこそ…私を困らせないでよ。
こんな事されたら勘違いしちゃう。」





ジュダル「好きな女にキスして
何か問題でもあるか?」




やっべ。思わず口に出しちまった。




A「え…………」




こいつは天然なのか?阿呆なのか?
ポカーンとして今の言葉の理解が
出来ないみたいだ。





ジュダル「全部言わせる気か?
まぁいい。今は大人しく眠ってくれ。」





そう言って俺は眠りの魔法をかけて、
彼女を再び眠らせた。




悪いな、A。
俺はアルサーメンの仲間。



いくら好きで組織にいなくても、
Aの国を滅ぼしかけた組織と
つるんでる事には変わりはねぇ。



それに、俺だって結構人を殺してきた。
Aとは違って、正義のためじゃない。



こんな汚れてる俺に
お前を幸せにする権利はない。


だからいつかこの組織とのかたがついたら、
お前に気持ちを伝える。



それまでは、今日の事は夢だと思ってくれ。


けど今のうちに一言だけ言わせてくれ。




ジュダル「愛してる。」

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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時

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