47.記憶の夢 ページ47
[ジュダル]
ジュダル「あぁ。
勝手にモノ扱いしてて見るに絶えなかった。
あんな奴にAを渡さねぇ。」
紅炎「ほぉ…ふっ。
お前、ガキの頃から見てきたが
ちゃんと男なんだなw」
ジュダル「はぁ……!?なんだよその言い方。」
紅炎「まぁ、女を落とすテクなら
いつでもこの紅炎様に聞け。力になってやる。」
ジュダル「うるせぇ!!
分かってんならからかうな!」
なんだよ紅炎の奴!!
腹立つ。絶対隙ができたら1発殴りてぇ…!
紅炎「あと、もう1つ情報を。
明日その馬鹿皇子が煌帝国に尋ねてくるだろう。
俺も奴は好かない。
殺さない程度に追い払ってくれ。」
ジュダル「あぁ。二度と煌帝国に近づきたくなくなる位トラウマ叩き込んでやる!」
紅炎との話も終わり、
俺はAを自分の部屋に運んだ。
ゆっくりとベッドに下ろし、
俺も隣で横になる。
呼吸のリズムもようやく整ってきた。
良かった…。
眠っている彼女をそっと抱きしめる。
A「スースー…」
体温も温かい。
触れることで生きてる感覚が伝わり、
本当に安心した。
ジュダル「頼むからこんな無茶するなよ。」
そう言って
俺も眠りについた。
夢をみた。
恐らくこれは、Aの記憶。
小さいガキが泣きながら、
母親と話している光景だ。
A「お母様、最近姉上が私のこと避けるの…
私どうしたらいいかな…。」
母「大丈夫よ、A。
きっと直ぐにいつものお姉ちゃんが戻ってくるから。」
A「ほんと……?」
母「えぇ、本当よ。あらあら、本当に泣き虫なんだから。ほら、お母様の腕の中においで。」
A「お母様……うっ」
母親の腕の中で泣く彼女。
こんなに泣き虫だったのか…。
夢がガラリとかわり、
夜の光景に変わった。
A「お母様……?お母様!!
どうして目を開かないの?目を開けてよ!!」
血だらけで倒れている母親を、
Aは必死に声をかける。
恐らく小さすぎて
"死"というものが分かってないんだ。
姉「A、久しぶりね。
お母様は私が殺したわ。そしてこの国に内戦を起こす!」
A「死……そんな………うぅっ…
お母様…………きゃっ!!」
泣いて死んでる母親に抱きつく彼女を、
姉は蹴り飛ばした。
姉「なんであんたはいつも泣いてるのよ!!」
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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時