45.気づいた気持ち ページ45
[ジュダル]
A「いてっ…！
ごめんなさ……ジュダル！？」
そこからは俺が思ったことを言いすぎて
Aは走って逃げてしまった。
流石に言いすぎたか…
彼女の酷く傷ついた顔が忘れられない。
傷つけるつもりなかったのになぁ。
あいつを追いかける。
あれ……でもなんで俺、
こんなに必死になってやがるんだ？
人の為とか1番面倒くさくてやらなかった俺が、
どうしてこんなにあいつの事を気にしてるんだ？
ドックン
鼓動が跳ねた音がした。
いや…気のせいだろう。
もう夜も暗い。
心配になって、Aの後を絨毯で追いかけた。
ジュダル「血の匂い………？」
なんだ…
この辺りから血の匂いがする。
嫌な予感がして
急いでAの事を追いかけると、
広場でAが頭や手足から大量に血を流して、
今にでも倒れそうな状態で地面に座っていた。
ボロボロの彼女に一人の男が
剣を振り下ろす。
ジュダル「辞めろーーーー！！」
なんとかAが刺される直前に
ボルグをはることに成功して間一髪助けられた。
黒冥「っち………！もう来たか。
神官殿はいつも王女に付きっきりだったから
今日こそはと思ったのになぁ。」
誰だこの男。
見たところ貴族っぽいが。
A「ジュダル……」
横に血だらけで倒れてるAを見る。
意識が朦朧としてるのか
焦点が定まらねぇみたいだ。
こいつをこんなに傷つけたのかよ！
この男は！！
ジュダル「俺の補佐に手を出して、
タダで済むと思うなよ！！
サルグ・アルサーロス！！」
俺の氷魔法をいとも簡単に避けた。
だが、俺をマギだと悟ったのだろう。
すぐに帰ってった。
急いでAの止血を行うが、
血が止まらねぇ…！
しかも左腕の傷が深すぎる。
手に力が入らねぇ状況だ。
くっそ…………！！
頼む！！止まれ！！間に合ってくれ…！！
俺は治癒魔法は使えない。
止血して紅炎達に治してもらうしか手がなかった。
A「どうしてここに…
私、ジュダルに酷いことを言ったのに…」
手足の出血をしていると、
Aは俺の手を探るように握って言ってきた。
ジュダル「そんなの関係ねぇよ！！
いいから喋るな！血がでる！」
そうか……。
なんで面倒くさがりの俺がこんな必死になって
彼女を助けているのかようやく分かった。
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作者名：花月 | 作成日時：2020年9月23日 3時
