44.ジュダルber ページ44
[ジュダル]
親父どもに呼び出された後の帰り際、
白龍とAの姿を見かけた。
どうも白龍と2人きりってのが
気に食わねぇな。
気になって絨毯で飛びながら
2人の後を追ってみた。
Aは奴 隷商人と揉めているそうだ。
俺が出て事を収めるか迷ったが、
あいつがどうやって解決するのか気になった。
木の影に隠れてAと
商人の会話を聞いていると
A「私を誰と試みる！
パルミラ王国、第一王女であるぞ！！」
ジュダル「……………！？」
パルミラ王族！？
確か東の全政権を握っている
馬鹿でけぇ国じゃねぇか！
しかもパルミラ族といえば、
ファナリスに匹敵する程の希少な族。
狂人なマゴイ量の持ち主だとかだった気が…。
確かに今までのあいつの戦闘を見てて
あの異常なマゴイ量には驚いていた。
だったらなんで、
俺には教えてくれなかったんだ…。
A「分かったら早く奴 隷を解放して。
逆らったら東大陸の全ての国が敵に回りますが？
もちろん私の正体を言ったらどうなるか…？」
いや、きっと秘密にしていたんだ。
今回正体を明かしたのは奴 隷を解放させるため。
全く。
必死に隠してきた事をこうもあっさり言うとは、
とんだバカ野郎だな。
ま、人のためにって考えは
悪くねぇと思うが。
Aと白龍の後を更に追いかけると、
白龍が煌帝国に内戦を起こす手伝いをして欲しいと頼んでいた。
そしたらAは
白龍に自分の過去を全て打ち明け出す。
なんだよ…あいつ。
俺には教えないで白龍に
秘密を伝えた事は気に食わねぇ。
だが！！
1番気に食わねぇのはなんでAは
7歳という幼さで人を殺さなければ
ならなかったんだよ…
Aの過去はあまりに残酷だった。
母親が姉によって殺され、
姉が起こした内線に将軍として参加し、
姉を殺したなんてよ……！！
話を聞く限り、
その銀行屋はアルサーメンだろうが、
なんで親父ども、Aの母国を狙ったんだよ。
俺はパルミラ王国の戦いには
関与していなかったが、
白龍がAに俺がアルサーメンの仲間
である事を言いやがった。
俺が既に堕天してると聞いた時の彼女は、
酷く悲しそうな顔をしていた。
なんでそんな顔するんだよ…
お前には関係のないことなのに。
白龍が居なくなって、
俺はフラフラ歩いてる彼女の前に立った。
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作者名：花月 | 作成日時：2020年9月23日 3時
