41.治癒魔法 ページ41
[紅玉]
明日はシンドバッドさんが
煌帝国に来るわ。
バルバッドで会って以来だから楽しみっ。
そんな事を思いながら
部屋に戻ろうとしたら、
バン！！！！
突然扉が勢いよく開いた音がした。
紅玉「こんな時間に何事！？」
慌てて扉の前まで行くと、
ジュダルちゃんが血だらけのAちゃんを横抱きにしていた。
紅玉「Aちゃん…！？
この酷い傷はどうしたの！？」
ジュダル「紅玉！
早く紅炎と夏黄文を呼んでこい！」
こんなに焦ってるジュダルちゃん
見たことがない。
紅玉「わ、わ、分かったわ！
すぐ呼んでくる！」
そうだ！紅炎兄様や夏黄文なら
金属器の力で治癒が出来る。
Aちゃん大丈夫かしら…
全身血だらけで、
白い髪や服が真っ赤に染まっていた。
私は慌てて紅炎兄様と夏黄文を呼んで、
他にも治癒を使える人たちを呼んだ。
紅炎「この傷は……」
夏黄文「かなり出血も酷いですね…。
一刻も早く治癒をしなくては危険です。」
ジュダル「頼む！！Aを救ってくれ！！
もう体重の半分近く出血してるんだ！」
紅炎、紅玉、夏黄文「……………！？」
半分近くも…
一刻を争う状態だわ！！
紅炎「夏黄文、お前は手足の出血を。
俺は頭の出血を先に治す。
急ぐぞ！！早くしないと間に合わない！」
夏黄文「かしこまりました。」
紅炎「帝国内の治癒魔法が使える奴は全員呼べ！
それと医者もな！」
紅明「では私と紅覇が。」
紅覇「Aちゃん待ってて！
すぐに医者を呼んでくるから！！」
駆けつけた紅明兄様や紅覇兄様達も
手伝ってくれた。
皆の助けのお陰で
Aちゃんは一命を取り留めた。
医者「出血量が多いため意識は暫く戻らないと思いますが、命に別状はありません。
紅炎様方の治癒のお陰といっても過言ではありませんね。」
ジュダル「良かった……ホントに良かった…」
ジュダルちゃんは
力が抜けるように地面に崩れた。
紅玉「ジュダルちゃん！大丈夫！？」
ジュダル「あぁ…悪い。
安心したら力が抜けて。」
こんな表情をしてるジュダルちゃん
見たことがない…。
本当にAちゃんの事が心配だったのね。
今のジュダルちゃんの目は、
恋をしてる目だわ。
きっとAちゃんの事を
想ってるのね。本人は気づいてなさそうだけど…
でも本当にAちゃんが助かって良かった。
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作者名：花月 | 作成日時：2020年9月23日 3時
