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36.行き違い ページ36

[A]




ジュダル「さっきから
お前の話を聞いてたら頭にきたぜ。

国王が病んで、姉が敵になったから
お前はガキだったのに剣を握ったんだろ?


兵隊の方がお前より年上の癖に、
全軍がガキのお前の指示に従ったって訳か!!


どうして誰も止めなかったんだよ!!
お前は女で、まだ幼かったのに、
なんで誰も止めねぇんだよ!」




A「ジュダル……」





ジュダル「街中を歩いてれば、
めかしこんだ女が沢山歩いてる。

お前だって、普通はその道に進めたってのによ!


最初花冠が作れねぇって言った時は驚いたさ。

お前には、戦うために女としてのそういった、
当たり前の事をしてこなかったんだろ?


どうして何もお前は言わなかったんだよ!!
戦いたくないって!

国のためだかなんだか知らねぇが、
それじゃただの人形と変わらないじゃねぇか!!」





人形って……
今まで剣士として努力してきたのを否定された気がした。





A「言えてたらとっくに言ってたわよ!!
でも…これしか国を救えなかった。

別に剣士になった道を選んだのを後悔してない。


それに、ジュダルが言えた事じゃないじゃない…。
アルサーメンが私の国を………」






ジュダル「あぁ、そうさ。
俺が人の事言える立場じゃねぇな。」






A「白龍から聞いた限り、
アルサーメンは決してあってはいけない組織。

今すぐに抜けてよ…。
私、ジュダルと敵対したくない。」







ジュダル「それは出来ない相談だな。」





A「どうして……!!」





ジュダル「こっちにも色々と事情があるんだよ。」





A「なんなのよ…
私の事については偉そうに言ってきたのに…!

私はそんな組織に
ジュダルがいて欲しくないよ!!」






それだけを言って
ジュダルに背を向けて走り出す。





ジュダル「A………!!」






後ろから私を呼ぶ声が聞こえたけど、
無視して走った。






分かってる…
ジュダルは私が幸せになってないことに
怒ってくれてたんだよね。


でもね、ジュダル。
兵隊や国王、
皆が私に何も言わなかった訳では無いの。




皆私が戦うことを止めてきた。
だけど、私が殺らなくては国の収集がつかない事もしっていた。



この道に進めば、
後には引けないことも分かっていたけど、
私は大好きなこの国のために自分から戦いの道を選んだのよ。



だから否定されるようなことは、
言って欲しくなかったな…。




私はただ無我夢中で走り続けた。

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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時

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