35.怒り ページ35
[A]
ずっと考え込んで
気がついたら夜になってしまった。
そろそろ帰らないと…。
結局頭の整理が出来なかった。
アルサーメンと戦えば、
ジュダルと敵になってしまう。
どうすればいいの…。
ゆっくりと重たい足を動かして
考えながら歩いてると、
ドスッ!!
誰かにぶつかってしまった。
A「あ、すみませ………ジュダル…!?」
驚いた。
ぶつかったのはジュダルだった。
でも顔が険しい。
もしかしてさっきの白龍との会話聞かれてた…?
A「こ、こんなところで会うなんて奇遇だね。」
ジュダル「……………」
A「いつからここにいたの?」
ジュダル「………………」
何を話しても、返事がかえって来ない。
怒ってる?
気まずい雰囲気に耐えられない…
話をそらそう。
A「もう冷えてきたし、帰ろっか。」
先導して歩こうとすると、
ジュダル「待てよ。」
ようやく返事がかえって来たと思えば、
怒り混じりの声だった。
A「もしかして…怒ってる?」
返事が返ってくるまでの時間が
とても長く感じる。
ジュダル「なんで黙ってた。
パルミラ王族であることを。」
A「それは………こっそり旅をしていたから…」
恐る恐る答えると
ジュダルの赤い瞳は私を捕らえてた。
目を離すことも出来ない。
ジュダル「旅をしながら、
銀行屋について探ってたんじゃないか?
そうでもしなきゃ国を出る理由がない。」
っ………
図星だ。
私が旅をしていた理由はただ1つ。
あの銀行屋が来てから姉がおかしくなった。
だから何か手がかりにと思って、
国を出て西の大陸まで来た。
A「さっきの白龍との話、
全部聞いてたのね…。」
ジュダル「あぁ。
途中から頭にきて仕方がなかった。」
A「私は、ジュダルが
アルサーメンの仲間って知ったのは今日だよ。
ジュダルに恨みがあって接していたんじゃない。」
ジュダル「そんなことじゃねぇよ!!」
A「っ……………」
珍しく怒鳴られて、
何も言い返せなかった。
ジュダル「今までおかしいとは思っていた。
お前が人殺しに慣れていることに。
なんで7歳のガキが人を殺さなきゃならねぇんだよ!」
A「ジュダル……?」
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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時