32.銀行屋 ページ32
[A]
奴 隷商人との交渉が無事に終わり、
白龍と行こうとしていた夕日スポットに来た。
白龍「A殿。
パルミラ王族だったんですね…。」
A「白龍、この事は秘密にしておいて欲しい。
本当は隠し通すつもりだったんだけど……
駄目ね。自分で解決できない事に直面すると、
すぐに国の力を使おうとする…。」
そう、私は昔からそう。
何度もこう言った似たような事があった。
旅先で自分で解決出来ない問題に直面すれば、
すぐに国の名前を出して頼ってしまう。
自分で解決しなきゃ…
出来るようにならなきゃいけないのに。
白龍「もちろん、この事は内密にします。
その代わり、頼みがあります。」
A「頼み?」
白龍「俺はいずれ煌帝国に内戦を起こし、
煌帝国を変えようと考えています。
その時にA殿のお力を頂きたい!どうか…!!」
それを聞いて私はため息をついた。
自分の過去と重なったから。
A「白龍。
事情は分からないけど、どんな理由があったても、
内戦に意味はない。
あるのはただ仲間の殺し合いだけ。
今ならまだ間に合うわ。
その気持ちを沈めることね。」
白龍「A殿。
私の家族は、母親に殺されました。」
白龍の母親は確か…
煌帝国国王の妻だったよね。
A「だから内戦を起こすの?」
白龍「はい…!この国は駄目です。
いずれ王座が紅炎に渡るでしょう。紅炎もあの女のしたことを見て見ぬふりをしてます。
そんな人が国を収めて良いはずがない!」
白龍のルフが一瞬黒く染ったように見えた。
このままにしては堕天してしまう。
仕方がない。
本当は王国の話はするべきでは無いけど、
今は彼のためにもしなきゃ。
A「はぁ……。そんな理由で内戦を起こされては国民も溜まったものじゃないわ。
いい?白龍。
私の故郷のパルミラ王国は
1度内戦が起こった国なの。」
白龍「内戦…ですか?」
A「私の故郷、パルミラ王国は
戦争に参加せず、交渉だけで東大陸領土全ての全権を得た国なの。
国はとても平和で、皆幸せだった。
私には姉が1人いてね…
丁度白瑛と同じ年頃かしら。
姉ともとても仲良くて、
いつも遊んでいた。
だけどある日、
銀行屋という組織がパルミラ王国にきて、
商売を持ちかけてきたのよ。」
白龍「っ………銀行屋!?」
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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時