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15.その名は白龍 ページ15

[A]




昼間の下手人を殺してから、
ジュダルの私への接し方が少し変わった気がした。




私とジュダルは下手人の死体を
紅炎さんの部下に届けたあと、王宮に帰ってきた。





私達と同時に帰ってきた人が
1人居た。





ジュダル「白龍か。珍しいな。」





白龍「………ジュダル。」






ん?
この2人仲悪いのかな?



明らかに白龍って人はジュダルのことを
睨んでいるように見えた。




白龍さんはジュダルから私の方をみると、
私の目の前に来て、手を前で組み






白龍「兄上様から話は聞いておりました。A殿。
私は煌帝国第4皇子練白龍。かねてより、貴方様とは話をしてみたいと思っておりました。」






A「私…と………?」





白龍「はい。
貴方様は刀のみでダンジョンを攻略したとの話を風の噂でお聞きしました。是非、私に剣術を教えて頂けないでしょうか?」





なっ………そんな噂が。
確かに当たってはいるが…。



剣術は普段人に教えないようにしていた。
なぜなら日本の剣術を知っているのは私のみだからだ。


多くの人が剣術を知ってしまったら、
わざわざ日本で学んできた意味が無い。




でも、こんなに真剣な顔で言われたら、
いいかなと思ってしまう。






A「私でよければお力添えになれば光栄です。」





白龍「なら………」





A「しかし、
いくら皇子でも私の剣術は教えられません。
その代わり、剣の基本ならば教えて差し上げます。
それでも宜しいですか?」






白龍「ありがとうございます!A殿!!
それと、私には敬語はなしで大丈夫でございます」





A「分かった!よろしくね。」






握手をしていたら、
いきなりジュダルが割り込んできた。





ジュダル「おい。あんまりこいつと
馴れ馴れしくしないでくれねぇか?」





A「え、ジュダル??」





白龍は私とジュダルをみると、
慌てて握っていた手を離して距離をとった。





白龍「これは失礼した。
では、A殿。また後日。」






そう言って
白龍は背を向けて帰ってしまった。






A「ちょ、どうしたのよ?」





ジュダル「別に、
ただ少し気に食わなかっただけだ。」







A「ほ、ほほぅ……?
じゃあ今日やれなかった分の戦闘する?」






明らかにジュダルの機嫌が悪いから、
好きな戦闘に持ち込む作戦に出た。

16.気まずさ→←14.慣れた殺し方



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作者名:花月 | 作成日時:2020年9月23日 3時

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