＊合同練習試合9＊ ページ41
聞き覚えのある声に少し顔を上げると、木葉君が心配そうに私の前にしゃがんでいた。
｢だい、じょうぶ····｣
木葉 ｢大丈夫じゃねーだろ！顔真っ青だぞ！後ろ乗れ！｣
｢え、·····？｣
木葉 ｢その調子じゃ掴まれそうにねーな·····しゃーない、怒んなよ！｣
そう言って木葉君は私をお姫様抱っこで抱えて合宿所の中へ向かった。
.
.
.
.
木葉 ｢·····吐き気、大丈夫か？｣
横になっている私にパタパタとうちわで仰いでくれている。
｢うん·····さっきよりは·····｣
木葉 ｢そっか。今日あっちーからなぁ····もう少しでクーラー効いてくるはず｣
｢·····ん。 ·····っ｣
木葉 ｢え、泣い····· 吐き気しんどいのか？｣
｢ちがう、情けなくて····皆に迷惑ばっかかけてる·····ごめんなさい｣
木葉 ｢はぁ？なーに言ってんだよ。こっちはそれ以上に助けてもらってっから、気にすんなって｣
そう言ってゆっくりと私の髪を撫でる。
｢·····ありがと｣
木葉 ｢····まぁそれに、ここ最近色々あったんだろ？｣
｢え、｣
木葉 ｢木兎とか赤葦とかと。｣
｢！｣
木葉 ｢見てりゃ何があったかなんとなくわかるけどよ。まぁ今は雰囲気、前みたいに戻ってきてるけど·····｣
｢·····｣
木葉 ｢色々しんどい時はちゃんと言えよ？俺に···って言いたいとこだけど、赤葦にな｣
｢！｣
木葉 ｢無意識だろうけどお前、しゃがみこんでた時赤葦の事呼んでたぞ。抱えてる時も。｣
｢あ·····｣
木葉 ｢抱えてるの、俺だっつーの笑 ····なんかちょっと悔しかったわ｣
サイドに垂れた短い私の髪を指で耳にかけながら、少し切ない声色で言う木葉君
｢木葉く·····｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：◎mire. | 作成日時：2021年8月20日 20時
