第46話─空いた穴─ ページ47
女・・・・・・。1番知ってる。
森「君が幹部でどれほど強くても、男に敵うことは無い、現に私に勝ててないじゃないか」
「首領だからです・・・・・・」
森「いや、私が此処の長では無くとも、私でも君に手は出せる、私は男だからね」
その途端、背中にぞくりと気持ち悪い鳥肌が立った。だが、私は何も云えなかった。
森「なぜ本当の姿を隠す、君は女性の方が遥かに美しい、其れを私がよく知っている」
「私は・・・・・・"あの日"から決めていたのです、貴方様に恩を売って頂いた時、いや、私自身を私が殺した時、そう決めたのです。私は女として生きるべきではない。そう、決めているのです・・・」
そう心の底から否定する、私自身を根本的から否定する言葉を首領に云った。首領の鋭かった目線は消え、まるで愛娘を見るように優しい目で私を見ていた。
森「そうか・・・・・・今傷はどうだい?」
「中原幹部が治療してくれたことにより、今はだいぶ良くなりました。まだ、出血は止まらなくて」
森「此方に来なさい」
ため息のようなものを吐かれて、私に手招きをする首領に少し困惑しながら首を傾げながら近づく。
森「腕を出してみなさい」
「大丈夫ですよ」
森「早く」
低い声で云われるものだから、怖い。渋々、腕を差し出すと、包帯を剥がされてしかも、包帯外したくなかったんだよね・・・・・・未だ、私の自傷の傷が・・・。
森「はぁ、またやったのかい?」
「ドキッ・・・はい、」
首領は、はぁ、と云いながら手袋を外して慣れた手つきで処置してくれた。包帯も新しいのに巻き直してくれて。
「感謝致します、首領・・・」
立ち去ろうとした途端に、机に押し倒された。目を見開いて、手を動かした途端にその両手は情けなく首領の片手で束ねられて、自分の頭上に持ってこられた。
そして、首元には医療用のメス。
森「私が、首領だから・・・君の、"義理の父親"だからって・・・そんなに隙を見せては行けないよ・・・?」
メスを置いて、メスを持っていた手で顎を支えられクイッと上げられた。そして、首領の恐ろしい目が私を睨みつけていた。
「ぼ、首領・・・これは、どういう事ですか・・・」
首領は、優しく微笑んだ後、束ねられた手を引っ張られて起こされた。驚きと恐怖で首元を摩った。
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うり太郎(プロフ) - まだ設定しか読んでいないのですが、純粋に異能力多すぎでは・・・?ただ思っただけなので、特に気に止めて頂かなくて結構です。 (2021年11月14日 21時) (レス) @page1 id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
華紅薇(プロフ) - ともさん» ともさん!!コメントありがとうございます!一気に読んでくださったんですか!ありがとうございます(*^^*) (2021年9月6日 18時) (レス) id: b469182880 (このIDを非表示/違反報告)
とも - おもしろくて一気に読みました!更新楽しみにしてます!! (2021年9月6日 0時) (レス) id: 17c26d4027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魚Aya | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maasasr/
作成日時:2021年8月14日 0時