悪夢に魘されてもママが：Newt Scamander ページ15
「…ママぁ、」
ぺたぺたと小さな足音を立てて動く少女。
身につけている淡いピンクのネグリジェは少し大きいようで裾を引き摺っている。真っ白な髪を揺らし、その藍色の瞳は半分しか開いていない。
どうやら寝起きのようでまだ頭が冴えていない様だ。
研究室の中の灯りを頼りに『ママ』を探す。
その小さな物音に敏感に気づいたのは、
彼女の『ママ』こと、魔法生物学者のニュートスキャマンダーである。
すぐさま羽根ペンを置き、ガタンと音を立てて椅子から立ち上がり、駆け寄る。淡い栗色の髪がふわふわ揺れる。
「おっと、おはようA。よくここまで来れたね」
Aのおぼつかない足取りは実に危なっかしく、倒れ込みそうになるのを間一髪で抱きとめる。
彼女の身長に合わせて膝をつけ、おはようの挨拶。
浅葱色の瞳がランプに照らされキラキラまどろむ。
「…ん、おはようママ。ありがと」
「目が覚めちゃったのかい？」
おはようと言ったもののまだおはようと呼べる時間からは少し遠い。まだベッドで夢を見ていてもいい頃合いだ。
Aの冷たい頬をゴツゴツした大きな指で撫でながら優しく聞く。
「凍っちゃった、壊れちゃった、A悪い子だからセーブできないの、ママごめんなさいごめんなさい」
優しい声に安心したのか切羽詰まったように言葉は止まらない。鈴を鳴らすような軽やかな声で、自分を責めたて謝罪の言葉を繰り返す。
藍色の瞳が震え、キラりと輝やく。
瞬きとともにポロポロと涙が、
こぼれ、
いや、凍りついて頬に固まった
「大丈夫、大丈夫、A。A？ママの目をよく見てごらん？大丈夫だよ」
背中をさすり、いつもより幾分か余計に冷えてしまった体をさする。辺り一面もだいぶ温度が下がったように思う。霜が降りてきている。
ランプはカチカチと音を立て凍りつきそうだ
Aは雪女と呼ばれる類いのものとのダブルなのだ。
幼い身体では耐えきれない魔力を抱え込んでいる。
セーブしきれず、辺りを冷たい極寒に染め上げてしまうこともある。彼女自身が知らないうちに力は強まり、それは『人』にまで影響を及ぼすことになった。
『魔法』を知らないマグルの元ではとても生きてはいけなかった。
いつかは誰かをその力で殺してしまうかもしれない。
マグルの大人に怪物扱いされ、そう言い聞かされて育てたれ、制御方法も知らず、恐怖に震えるAをニュートが快く引き取ったのだ。
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フォイの許嫁(プロフ) - どのお話も切な過ぎて泣きそうです.....😭 (4月21日 14時) (
レス) @page22 id: 8a6381d4ef (このIDを非表示/違反報告)
霞(プロフ) - スピカブラックさん» 記載出来ていたつもりが、出来ていなかったようですみません。リクエストにお応えするつもりは今のところありません。遅筆ですし、不定期に気分で書いているので催促はやめていただけると嬉しいです。私の注意不足ですみません💦 (2022年11月14日 13時) (レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - 霞さん» まだですか？ (2022年10月3日 8時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - リクエストでスネイプ先生書いて欲しいです！ (2022年9月21日 14時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
岡Ｐ(プロフ) - どのお話も素敵で感動しました。これからも素敵なお話楽しみにしています。 (2022年9月21日 3時) (レス) id: e3d27a2b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月17日 23時
