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「さぁ、皆さん！箒の傍に立って！」
フーチ先生の張りのある声が響く。
1年生はいっせいに動き出し、先生の指示通りに手を伸ばし始める。
「上がれ！と大きな声で唱えなさい。始め！」
各自がそれぞれ「上がれ！」と唱え始める。箒がビクともしない人もいれば、若干上がっている人もいる。中には箒が暴れて、思いっきりおでこにぶつかっている人もいる。
近くにいたセブを見れば、彼も苦戦しているようだった。そんな中で初めに成功したのは…
「上がれ！」
聞き覚えのある声が聞こえて、それと同時にパシッと箒の柄が手に収まる音が響いた。
それに気づいたフーチ先生が大きな手を叩いて、辺りに響くくらい大きな拍手をした。
「ポッター！素晴らしい！」
リリーの唖然とした顔が目に入った。
口をぽけっと開けていたリリーは我に返り、「上がれ！」と唱え続けた。呪文に続けて、彼に劣るのが相当嫌なようだ。
しばらくすると、リリーの手にも箒が綺麗に収まり、満面の笑みをこちらに向けてくれた。セブもリリーにアドバイスを受けて、上がったようだ。
リーマス・ルーピンもシリウス・ブラックも、何となく知っている顔見知りのみんなは何とか上がっていた。
Aは、上がらなかった。
ビクともしなかったから、どうやら箒とは相性が悪いようだ。
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箒が上がらなかったAを2人は気の毒そうに思ったのか、
「大丈夫よ、愛称は練習すればきっと私より上手くなるわ！」だとか、「仕方ない。上がってない奴は他にもいた」と慰めてくれた。
そんな二人を見て、「うん」と困ったように笑いかけることしかできなかった。
多分、箒とは生涯友だちにはなれない気がしている。
それを見透かしたのか、セブはシラケた目線をこちらに向けてきた。見つめ返せば、つまらなそうに目線をそらし、いつものごとく、リリーへ熱い眼差しを送りはじめた。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
