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2人と別れた後、隅に引っ込んでいたイアンが顔を出した。リリーの突発的な行動力に驚いたようだ。
買い出しを終えて、師匠に合図を出す。
路地裏に行く途中、眼鏡をかけた男の子が目の前を駆け抜けていった。大きな声で何か叫んでいる。時折後ろを振り返りながら、にやにやと何か企んでいるような目をしていて、一瞬目が合ったような…
「師匠」
「忘れ物はない？…そう、行きましょうか」
Aが頷くのを確認して、手を握って姿くらましを使う。彼女が満足そうに笑っているのを見て、良い買い物が出来たのだとフィガロは察した。
姿現しを使って家に帰る。姿表しにも慣れてきたが、毎度押し寄せてくる吐き気は仕方が無いものなのだろう。フィガロに抱かれたイアンもなかなか慣れないようだ。
そんな気持ち悪さを吹き飛ばすくらいの感動が、ダイアゴン横丁にはあった。沢山の魔法使いや魔女、魔法界で起きたニュースやクィディッチの試合結果、普段耳にしないワードが飛び交う。
魔法もそこら中に溢れていて、驚きと感動のあまり、視覚から得た情報を頭の中で整理するのに時間がかかった。
「ほんとに、ほんとに凄かった！魔法で溢れていて、魔法使いがたくさん居て……あ！あと、お友達もできて、あのね、魔法使いのお友達！初めて！…リリーとセブ、同級生にもたくさん会った…！」
必死に言葉を絞り出して説明をするAに相槌を打ちながら聞いてくれるフィガロ。目を輝かせて語るAにフィガロは、優しく満足気に笑うのだった。
「それは良かったわね。その様子なら、在学中も安心だわ。」
「あ！フィガロ…！杖……！自分の杖で魔法を使ってみたい…」
杖のことを思い出したAは、ホグワーツに旅立つまでに杖を使って実践をしたいと言い出す。
「そうねぇ……でもホグワーツに行くまで取っておいたら？」
「…でも、フィガロが見てるところで使いたい、」
フィガロとしては、これ以上教えればホグワーツで退屈な毎日を送ることになるのではないかと心配していたが、Aの熱意に負けてしまった。
フィガロはホグワーツに旅立つまでの数日で、指導し続けた。
朝日が昇り、日が沈む、一日の流れの中でAは杖を片時も離さなかった。暇さえあれば、簡単な呪文で灯りをつけたり、消したり、物を動かしたりした。
そんな姿をイアンはうんざりしたように寝床で眺めていた。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
