最高で最悪な再会 ページ15
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「愛称〜？……準備は？出来たの？間に合わなくなっても知らないわよ」
トランクをもう一度開ける。忘れ物はない。教科書、私専用の呪文書、杖、箒、羽根ペン、制服＿＿
昨日の夜から何十回と繰り返した行動。そろそろ行かなきゃ本当に遅れる。
「もう行く……！イアン、行こ」
階段をかけ下りると、フィガロがいつものように上品に出迎えてくれた。少しそわそわしているように見えるのは気のせいか。
「おはよう、お寝坊さん。今日は随分遅いのねぇ」
「そんなに遅くない、まだ余裕がある」
時計を見ながら、朝食に手を伸ばす。
「そうね、……愛称」
「ん」
もぐもぐと口を忙しく動かしかながら返事をする。
小さな箱を取り出して、Aの方へ差し出した。フィガロの髪のような漆黒で、少し古びているようだった。
「あげるわ。ピアスよ」
箱をパカッと開くとそこには蛇が2匹お行儀よく並んでいた。紺碧の瞳を持つ小さな蛇。付けたらきっと、耳元でゆらゆらと優雅に揺れるのだろう。
「いいの…？」
「えぇ、私が家出して初めて買ったものよ。御守りにでもしてちょうだい。……貴方はきっとグリフィンドールでしょうから、付けるのはあんまりお勧めしないけれどね」
申し訳なさそうに目を伏せるフィガロ。
「ううん、いつか付ける。…フィガロがくれたものだから。そんなの関係ない、」
目を少し見開いて、いつものように艶やかに笑った。そして、にやにやとしながら一言添えた。
「それで？おチビちゃんは、耳たぶに穴を開けられるのかしら？」
「……いたい？」
「多少ね」
怖々と聞いたが、表情からして痛そうだ。ホグワーツから帰ってきたら、もしくはホグワーツで誰かに開けてもらうのもいいかもしれない。
「いつかはちゃんと開けるから……！」
その言葉を聞くと、頭を撫でてハグしてくれた。余裕だと言っていた10分は過ぎそうになっていて、急いで歯を磨いて、トランクを持った。
「残念だけど、駅のホームまで見送りは出来ないわ。ごめんなさいね、愛称」
「送ってもらえるだけで十分よ」
大量の荷物と、Aとイアン、一気に移動、フィガロが集中する。失敗すればホグワーツどころではない。
手に熱がこもる。
呼吸まで吸い込まれていく。姿現し、やっぱり慣れない。
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霞(プロフ) - raitisayaseさん» 遅くなりました💦コメントありがとうございます！嬉しいです、カメさんですが頑張ります！！ (2022年9月20日 21時) (
レス) id: 15ecf1a3d4 (このIDを非表示/違反報告)
raitisayase(プロフ) - 続が楽しみです！頑張って下さい。 (2021年12月4日 21時) (レス) @page34 id: 9634a3802d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霞 | 作成日時：2021年1月10日 13時
