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Aside
負けて欲しい。負けて欲しい。負けてくれ、日本。
貴方たちに牙を剥く真似はしたくない、どうかお願い勝ち上がらないで。
シャドウオブオリオンは、オリオン財団秘蔵のチーム。
万が一オリオンに歯向かう国が決勝に残ってしまったときのために温められているチーム。
日本が相手じゃなければ私だって思う存分暴れられて、父さんの目にも入るはず。
「お願い、……負けて」
テレビ中継を見ながら手を合わせる。
オリオンが配ったサポーターと日本のタクティクス、グリッドオメガを喰らった日本はまだ立ち上がってしまう。
日本の最終兵器であるラストリゾートまで研究されていたが日本は更に強化したラストリゾートを打ち返して＿＿＿＿
「日本が勝ちましたー！！！」
「……………」
あれだけ祈ったのに、日本の勝利に終わってしまった。
他に決勝に進んだチームはロシア……何も咎められることは無いだろう。
だが、日本はそうもいかないのだ。
日本とロシアによる決勝に日本が勝つなんて事があってはならない。
だから、試合の流れによっては無理矢理試合を止めてでもシャドウオブオリオンをぶち込むだろう。
いずれしても、私たちシャドウオブオリオンが日本とぶつかるのはほぼ確定したと言っていい。
「やだ＿＿＿＿」
「何が嫌なんだ？」
背後から聞こえた父の声に背筋が凍る。
「最終確認に来て良かった。矢張りお前にはオリオンの素晴らしさをもっと理解してもらわねばならないようだ」
「い、今のはオリオンが嫌だって訳じゃ！」
「せっかく手に入れたオリオン至高の技術、情に
私の言い訳に全く耳を傾けない父。
数年ぶりに優しく触れられた腕から徐々に後悔が広がっていく。
「特別な洗脳を施そう。Aは、オリオンで一際美しく輝く紅い星＿＿＿＿ベテルギウスなのだから。」
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作者名：るぴゃん x他1人 | 作成日時：2020年3月18日 8時
