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Aside
「良い…………非常にいい構図だ」
私の肩に肘を置き、編集長を追い返そうとするヒロトと私を交互に見てぶつぶつと呟き始める。
「素晴らしい！！！二人揃って是非モデルに！！！今なら表紙にして差し上げます！！！」
「ハァ！？何バカなこと言ってんだ、あっち行けよ！」
興奮気味に迫り来る編集長に、ヒロトと私は一歩二歩と下がる。
この編集長、筋金入りのヤバさだ。
「編集長！何をなさっているんです！まだあちらへの挨拶が済んでないでしょう！」
「やめろ、私はモデルの卵を、原石を保護しなくてはならないんだ！」
横から入ってきた、部下と思しき男性に引き摺られるようにして去っていった。
「………………何だったんだ」
「やばい人だった………ありがとう、ヒロト」
「気にすんな」
そこでやっとヒロトも、いつもとは違う正装に身を包んでいることを意識した。
主催側が用意したスーツを意外にも着こなしていて、御曹司であることを思い出させてくれる。
「……あんまじろじろ見んなよ」
「あ、ごめん………カッコイイなと思っ」
思った事をそのまま言葉にしてしまい、慌てて口を塞ぐが時すでに遅し。
「…………………あのさぁ、他の奴にもそういう事言ってんのか？」
「………えっ、どうだろ」
思い返してみるが、特に言った覚えはない。
というか何か怒ってるような気がする………………？
「言ってんだとしたら！…………すげぇ、ムカつく」
突然声のボリュームを抑え、照れてるような、不貞腐れているような表情でヒロトは言う。
「だぁぁぁあ！とにかく！もう変な奴に絡まれんなよ！」
私に背を向けて数歩歩いてから、すぐにまたこちらを見た。
「………あと、お前もそのドレス似合ってて…………可愛い」
言われて、一連の流れで感じたものが一気に雪崩込んでくる感覚に陥って混乱してしまう。
恥やら、照れやら、違和やら、愛しみやら。
………愛しみ？私はヒロトに愛しさを感じたというのか？
それって、つまり好き……………
「違うから！」
「わ、びっくりした」
「大丈夫？A」
自分の心と葛藤しているところをタツヤと吹雪さんに見られたうえに、心配されてしまった、
「チョコマーブル食べる？」
「こんな所にも持ってきたんですか、野坂さん………」
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作者名：るぴゃん x他1人 | 作成日時：2020年3月18日 8時
