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「それにしても、河了貂はその蚩尤とやらに騙されたのか?」

「.......いや、騙されたのとは違うと思う。あいつは王宮の争いとか分かってないから」

「しかし、立場的にいえばここは河了貂にとって敵地だ」

私のその言葉に河了貂はまた顔をしかめ、警戒し始める。

その様子に私はちらりと蒙毅を見ると、蒙毅はコクリと頷く。

「でも安心していい。君の正体に気付いているのは先生と僕達二人の3人だけだ」

蒙毅の言葉に河了貂はふぅ、と肩の力を抜いた。

よくよく見ると、河了貂も相当可愛らしい顔をしている。

こんな少女が一体何を目的にこんなところへ来たのか。

じっと河了貂を見つめていると大きなクリクリの目が私を捉える。

「ところで、河了貂。推薦状に軍師とあったが、ひょっとして軍師になりたいのか?」

問いかける私にとっては河了貂はコクリと強く頷いた。
その目は決意に満ちていて、なにか大きな目標があるようにも見えた。

「だったら、ここに来て正解だ。この城には国内最高峰の軍師育成期間がある」

意気揚々と話し出す蒙毅を私は微笑ましく思った。

この軍師学校は蒙毅にとって、第2の家だ。それに、それだけ蒙毅もここが好きだということだから。

「でもオレは.......」

「敵地では学べないかい?」

渋る河了貂にさらに蒙毅は続ける。

「大丈夫。この機関は呂氏四柱としての昌平君公務とは完全に分離して政治色は一切ない。その中にいる限り、ここは君にとって敵地ではないし君は僕のかわいい弟弟子だ。.......いや、妹弟子かな」

にこりと笑う蒙毅とは対照的に河了貂はギクリと肩を揺らす。

ああ、そっか。この子は自分が女の子であることを隠して、男の子として振る舞っているんだ。

蒙毅はそれに気がついてるにも関わらず、わざと.......

「蒙毅.......」

私は低い声で蒙毅を軽く睨むと、蒙毅は苦々しく笑った。

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(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月14日 20時

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