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廊下を歩いている間も、少女は私達とは一定の距離を取りながらこちらを伺うように、そろりそろりと歩いていた。
「今日からここがそなたの部屋だ、河了貂」
河了貂は私から目を逸らし、そっけなく礼をいった。
そりゃそうだ。独り身で敵陣営の中枢などにやってきたら心許ないに違いない。
「何か聞いておきたいことはあるかい?」
だからこそ、今、目の前の少女の心を掴む必要がある。
蒙毅は軽く笑みを浮かべ、河了貂に問いかける。
「へ.......、あ、いや何もないです」
ひょうひょうとした態度で躱す河了貂に蒙毅はさらに毒を塗り込む。
「それでは、僕が聞くよ。大王側の君がここに来たのはまさか諜報のためではないよね?」
その言葉に河了貂は驚きを顕著にし、さっと後ろに下がる。
そして、身につけるミノの中に手を入れ、何やら吹き矢のような物を手に構えているようだった。
「吹き矢は僕たちには当たらないよ、河了貂」
その言葉に、さらに河了貂は警戒心を強くし、こちらをジリジリと睨みつける。
しばらく続く沈黙の中、さすがに不憫に感じた私はフッと笑を零した。
「あまり虐めるな、蒙毅。この子の反応を見ればもう十分だ」
「なっ、」
私は驚き顔の河了貂に近づき、安心させるように微笑む。
「蒙毅の代わりに無礼を謝ろう。私の名は羋熊Aだ」
手を差し出す私に初めは戸惑っていた河了貂だったが、手を握り返してくれた。
蒙毅は苦笑いをしながら、その様子を見守っていた。
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涼(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼 | 作成日時:2019年6月14日 20時