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「ちょっと、具合いが悪いみたい。どこか休めるところに行こう」
恬の提案で、私たちは近くにあった 食事屋へと入った。
女の人はご飯を食べ、水を飲むとすっかり、とは言い難いが、ある程度元気になった。
「ありがとうございます、この御恩、一生忘れません」
にこりと微笑む女性に私たちも会釈する。
よくよく見ると、その女性はかなりの美人だった。
「でも、お姉さんはどうしてあんな所に?」
恬は明るめに女性に問いかける。女性はしばらく黙り込むと、うん、と頷いて恬の目を見据えた。
「私は、いま、元婚約者に追われているの。だから、私がここにいる事も口外しないでいただけるかしら?」
「分かった。大変そうだね.......」
困ったように首を傾げる女性に恬は笑いかける。
「よければ、蒙恬様も蒙毅様もお出かけになって。私は彼女と喋ってみたいわ」
しばらく他愛のない話が続き、私が退屈し始めていた頃、女性は突然、提案した。
恬と蒙毅は頷いて、どこかへと出かけてしまった。
二人きりになった私たちは、気まずいまま、時間が流れるのを待つ。
「貴女はあの二人とは仲が良いのね。どちらかが将来の婚約者かしら?」
突然、突拍子もないことを口に出す女性に、私は飲んでいた水を吹き出した。
「いや、あの二人は幼馴染で、兄弟のようなものですから」
慌てて言葉を紡ぐ私に女性は意味ありげに笑った。
「そう。じゃあ、貴女の最愛の人を私が取る事になってしまうのね」
「え?どういうことですか?」
私は眉をひそめ、警戒を強める。
「ふふふ、なんでもない」
のらりくらりと躱す女性に私はどこか気味悪さを感じる。
「貴女は将来、実の兄を殺し、最愛の主人をも殺す。最終的にはあの幼馴染たちも、自分の手でね」
「私に実の兄なんていませんが」
睨みつける私に気がつき、女性は肩を竦めた。
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涼(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
涼(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼 | 作成日時:2019年6月14日 20時