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久しぶりに3人で来た繁華街はより一層華やかだ。
何もかもが輝いて見える。

まるであの頃に戻ったみたいだった。

「まぁ、とりあえずお疲れ様。処罰が不問になって良かったね」

「ありがと。でも、この手は邪魔だ」

さりげなく、私の肩に手を回してくる恬を振り払う私の様子を見て、蒙毅は苦笑いする。

恬と歩けば必ず街の女の子が寄ってくる。
それは、今日も通常運転だった。

「蒙恬さまっ、お久しぶりです!今日はどのような用事でこちらに?」

数人の女子が蒙恬を取り囲む。

「お前の兄はモテモテだな、蒙毅」

「兄上の唯一の欠点は女好きである事です」

ため息をつきながら笑う蒙毅に愛らしさを感じながらも私はつられて笑う。

「じゃあ、こちらの殿方達も蒙恬様のお友達なので.......」

リーダー格らしい少女が私の方を見ると、先程まで動いていた口を止めた。

私はぎょっ、としてその少女を凝視する。

「あの、初めてお会いしますよね?私、俊凛(しゅんりん)と申します。もしかして貴方が羋熊A様かしら?」

どうして私の名前を知っているのかが不思議だったが、私は慌てて首を縦に振った。

「まあ!噂通りの美男子ですわね。お時間あるかしら、お茶でもしたいのですけれども。ねぇ、皆」

俊凛はそう言って他の女の子達にも問いかける。彼女達は揃ってコクリと頷く。

その前に、だ。
どうして、私が男として通っているのか。

私は先程から私と目を合わさずにいる恬を睨みつける。


「皆、今日は前から約束していて、やっと3人で久しぶりにここに来たんだ。だから、ごめん、じゃあね!」

恬は慌てて私の手を引いてその場をダッシュで立ち去った。

その後を、乗り遅れた蒙毅が、必死に追いかけているのが視界の端に移る。

「どういう事だ、恬?」

私の圧に耐えきれなくなったのか、恬は笑顔で誤魔化しながら、口を開く。

「だって、男って通しておいたほうが楽でしょ?」

「まあ、それは確かに.......」

.......じゃない!
危うく恬の口車にのせられるところだった。

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(プロフ) - llmzさん» コメントありがとうございます!!蒙恬かっこいいですよね!珠海平原での蒙恬は鼻血ものです笑オチはまだ考えてないけど、考えときます笑これからもよろしくお願いします! (2019年7月6日 7時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
llmz(プロフ) - 更新ありがとうございます。毎日楽しく読まさせて貰っていて、とても続きが気になります!蒙恬推しの私からするとオチは蒙恬がいいなと思います。てへ。お忙しいとは思いますが陰ながら応援しています。コメント失礼致しました。 (2019年7月5日 21時) (レス) id: 13d9da937b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» いえいえ、私もこの機会に中国史について色々振り返れたので、楽しかったです!このような機会をありがとうございました!! (2019年6月17日 16時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)
仙花 - 羋というのは楚の王族に使われる姓だと聞いたことがあったので、熊啓が名前なんだと私は解釈してましたが、熊という名前にそんな意味があったんですね。分かりやすい説明ありがとうございます。 (2019年6月17日 15時) (レス) id: 8f9569ed44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 仙花さん» コメントありがとうございます!昌平君の本名についてはまた本文で言及させて頂きたいとおもうので、そちらを見ていただけると嬉しいですm(_ _)m (2019年6月16日 22時) (レス) id: 09e4b51586 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年6月14日 20時

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