琥珀色の夢【キングダム】

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「なに！？蒙武がやられた！？」

突然 こちら側に入ってきた知らせは私達 本陣にいる者達を驚愕させた。

話によると、蒙武は敵の本陣まで行ったのは良かったが、そこからは私の策略を無視し、本陣へと攻撃を開始したため、敵の罠に引っかかり、全軍ほぼ全滅の大損害を受けたらしい。

私はその事を聞いて、内心焦る。

勝負に出るのは少々早すぎたのかもしれない。
蒙武が敵の本陣を前に、裏に廻ることなど絶対しないことは、わかっていたではないか。

私のせいで、蒙武たちは...........。

私一人の判断で多くの人間が死ぬ。

その事はかなり前から理解していたが、あの蒙武がやられた、となっては落ち着いてなどいられない。

しかし、こういう時こそ、冷静に物事を考えなければならない。

「王騎しょ.......」

「本陣を前進させますよ、A」

「え！？」

私は驚いて口をパクパクさせる。しばらく言葉も出なかった。
今、本陣を進攻させるなんて、危険すぎる。相手の力は未知数だ。

「貴女に足りないのは経験です。ここは経験豊富な私を信用しなさい」

確かに、私には経験が足りない。
戦地の状況も考えると、王騎将軍のほうがわたしよりも圧倒的に適している。

「分かりました」

私は苦々しく頷く。いや、頷くしかなかった。

一応、今から私も戦場に経つため、私は小さい頃から唯一得意だった、弓矢を背負い、馬に跨る。


王騎将軍の後ろには今まで将軍と戦場を共にしてきた猛者たちが並んでおり、その中に私が入るのはかなり気が引けることだった。

しばらく馬を進めると、信たち第4軍がいた山に秦国の旗が高らかと掲げてあった。
わかり易すぎる、罠とも言えない罠だった。

「ンフフフ、あんなおバカな真似をするのは涉猛(しょうもう)あたりだと踏んでましたが、その通りでしたね、騰」

「ハ！豚の発想です」

二人の会話に笑いそうになるのをこらえて私は考える。

確か、涉猛とは、趙軍でもずば抜けて強い、まるまると太った男だ。

「第4軍をやってくれたのは彼ではないようですが、仕方ありません。我々が受けたこの悲しみ、とりあえずは今ここで涉猛さんに受け止めて頂きましょう」

王騎将軍は、矛をふるい、自ら先頭に立った。

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