私の仕事は声優業【下野 紘】

１９話目 ページ21

ライブって時間の流れが早く感じる

みんなの熱い熱気と、照明の熱

自分の身体から汗が溢れているのがわかった

ステージから見える、みんなの楽しそうな笑顔や
飛び跳ねている姿を見ると、胸がいっぱいになる

「那月さん、アンコール開けまであと30秒」

「…次がラストなので、最後まで宜しくお願いします！」

先に一人でステージに向かい、今日の感想を伝える
みんなへの感謝とか、新曲に込めた意味など



「ここで一つ、報告があります！！！

スクリーンに注目！」


スクリーンに大きく映し出されたのは、



『森崎 那月

2nd アルバム 全国ツアー決定！！！！』


一気にホール内は歓声と喜びに満ちた
泣き出す人や、言葉にならない人

これを決めた時に、みんなの反応を楽しみにしてた


「ツアーを決めたきっかけは、ライブって全員が来れるわけじゃないでしょ？

でも、私は私のことを応援してくれる人、みんなに感謝を伝えたい。だから、全国ツアーを決めました」


反応楽しみだったけど、私も嬉しすぎて
今までの記憶が蘇ってきて

泣いてしまった


「それじゃぁ、気を取り直してラストいこうー！」

旦通り良く行けば、ここでバンドメンバーが来る予定

だったんだけど…


「え、ちょ、ww」


ケーキの乗った台をメンバーが運び、バースデーソングを会場のみんなと歌い始めた


「「「おめでとー！」」」

「えっ、ありがとうー！」

「三十路ぃ！」

「誰！今三十路って言ったの！」


会場全体が笑いに包まれると、巨大なスプーンをスタッフが持ってきた

「ねぇまって！それ、結婚式でやるやつじゃんww」

スプーンを受け取ると、そのスタッフは立ち去ろうとせずステージに立ったまま
お客さんと那月は、その異様な空気にポカンとしてしまった

「へ、何ごと？」

マイク越しにそう伝えると、そのスタッフは笑いだしプルプルと震え出す
バンドメンバーはニヤニヤとしたままで…

そして、そのスタッフは帽子とマスクを外した


「「「きゃぁぁぁー！！！？？」」」


「………は!?ま、え!?なんで!?」

紘「どーもー！下野紘でーす！」


「え、なんでいるの!?」

紘「ゲストに来てくださいって言われた」

「私知らなかったよ!?」

「俺らからのプレゼントです」

「どんなプレゼントよw」


紘「いやー、那月もついに三十路かぁ」

「ねぇーやめてw
アラフォーに言われたくない」

紘「まだ39ですぅ！」

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