【銀魂】影は貴女のすぐ傍に【沖田総悟】

足音26 ページ27

「…んで、どーなんでィ」

「へ?どう、とは…」

「だから、これで俺の気持ちはおめーに知られちまったわけじゃねーか。告白らしい告白したわけじゃねーが、この際はっきり返事寄越しやがれ。俺と付き合う気があんのかねーのか」


告白。
その言葉を聞いてハッとする。
そっか、確かにそれらしい言葉は無かったけど…今の私は沖田さんに告白されたも同然の状況なんだ。


なら、それに対する答えを出すのは筋というもの。
しかも簡単に答えを出すようなもんじゃない。


沖田さんは真剣に、私に思いをぶつけてくれていた。
ならば私も、真剣に考えて答えを出さなきゃならない。


目を閉じて、今までのことを一つ一つ思い返していく。


沖田さんは私にとって大切なお客様で、いつも私の心の支えになってくれていた。
鍛冶師としてまだまだ未熟だった私が一人前になれたのも、沖田さんがいつも客という立場から応援してくれていたからだ。


私の腕を認め、必要としてくれた沖田さん。
いつしか彼は数多く居るお客様の中でも、特別な存在へと変わっていた。


そして今回のストーカー騒動。


ストーカーの相談をしてから今日まで、沖田さんはずっと私を護り続けてくれていた。
怖がる私を抱きしめて、振り下ろされる凶刃を防いで助けてくれた。


その姿は本当にカッコ良くて、私に残っていたなけなしの乙女心が感動で震えた。
事が全て片付いた後、もう沖田さんと行動を共にする理由が無くなることに寂しさを感じた。
無意識のうちに私は、彼と一緒に居ることを望んでいた。


…もう此処までくれば、答えは一つしかない。

Epilogue→←足音25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す